1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04650554
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
松本 直司 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (40142442)
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Keywords | 街路景観 / 街路機能 / 魅力型 / 乱雑・整然性 / 個人差 / 嗜好型 |
Research Abstract |
平成4年度は、評価対象街路の選定と、その乱雑・整然性および魅力度の数量化を行った。 1.評価対象場場面の選定 人間の生活行動に対応する具体的な地区を、全国の主要都市から選定し、撮影した1029枚の街路景観写真から、形状等が全体にいきわたるように評価対象80場面を選定した。 2.街路景観の意味構造の把握と類型化 対象場面を被験者に提示し、SD法評価尺度による評価実験から因子分析(主因子解法)を行った結果、『遊歩・評価性』『生活・静謐性』『仕事・現代性』の3軸を得た。これをもとにクラスター分析(群平均法)行った結果、街路景観は、すっきりした中心市街、繁華街、住宅街、路地に分かれ、さらに全体が10グループに類型化された。 3.個人の乱雑感、整然感および魅力感 多次元尺度法により被験者3次元上に布置し、クラスター分析の結果、乱雑感と整然は被験者において共通で、魅力感は、評価における被験者の個人差が大きく、複数の評価傾向が存在することが分かった。 4.個人差をふまえた乱雑・整然性および魅力度の関連 乱雑性と整然性はほぼ相反する意味を持ち、乱雑性の高いのは狭い道路に面した繁華街、横丁、下町などで、整然性が高いのは、広い道路に面した官庁・オフィス街などである。街路景観の乱雑・整然性や、街路景観の機能的類型との関連により、[I:整然性嗜好型][II:遊歩・整然性嗜好型][III:非日常・乱雑性嗜好型][IV:日常性嗜好型]の4嗜好型が認められた。いずれの嗜好型にも魅力度を高く評価されたのは官庁・オフィス街などの整然性が極端高い街路や、伝統的建築物の多い観光地である。乱雑性が高まると、魅力度の評価傾向に個人差が生じ、繁華街など乱雑性が極端に高い街路で、個人差は顕著に表れる。
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