1993 Fiscal Year Annual Research Report
探索思考と情報(空間・サイン)の整合に関する空間の分かりやすさの探索行動実験研究
Project/Area Number |
04650555
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Research Institution | Tyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
渡邉 昭彦 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (70042520)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 一彦 豊橋技術科学大学, 工学部, 助手 (40190988)
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Keywords | 探索行動実験 / 空間の分かりやすさ / 空間の認知 / 空間情報の視認・思考 / 空間探索方法 / 認知心理学 |
Research Abstract |
平成5年度の図書館2施設,病院2施設の探索行動実験の結果(各施設10人,ただしH図書館のみ2グループに分けて実施し14人)から次のような知見が得られた. 1. 今年度は前年度の調査施設に較べて若干複雑な施設を調査施設に選定した.そのため病院と図書館とも被験者の半数以上が受付で情報を入手して目的室に到達しており,「施設種別に対するイメージより,空間に対するイメージによって,探索方法が設定される」ことが分かった. 2. 図書館同士の比較では,今年度は書架配置の異なる2施設で調査し,1階が探索場所の場合と2階の場合で実験を行った.その結果2階が探索場所の場合は,圧倒的にカウンターで情報入手して探索する場合が多く,空間の差異が探索方法の設定に影響を大きく与えることを確認することができた. 3. 病院同士の比較では,両病院とも第1段階(新患受付探索),第2段階(診察室受付探索),第3段階(検査受付探索)に行くに従い,受付で情報入手する被験者が増加する.これは当初色々なサイン情報を活用して探索を行うが,その難しさに気づき,受付を頼る探索方法に変更することが分かった. 4. 今年度の実験では,前年度の施設に較べて,吹抜けなどが設けられていても,それらが探索に有効に活用される空間として計画されていないため,被験者に「複雑」というイメージを与え,結果として受付での「人による情報」が頼りにされる結果となり「分かりやすい空間計画の重要さ」が裏付けられた.
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