1994 Fiscal Year Annual Research Report
メタル-シリコン化合物(シリサイド)の成長機構に関する基礎研究
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04650604
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
下崎 敏唯 九州工業大学, 機器分析センター, 助教授 (00093964)
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Keywords | シリサイド / 二元系 / 反応拡散 / 相成長挙動 / 不純物の効果 / 相成長速度 / チタンシリサイド / モリブデンシリサイド |
Research Abstract |
LSI作成時に重要であるシリコンと金属間の反応をバルク拡散対を用いて調べた。平成4年度のNiシリサイド、平成5年度のPtシリサイドおよびTiシリサイドに引き続き、Ptシリサイド、Tiシリサイド、Moシリサイドの成長挙動について調べた。 Ptシリサイドについては昨年の結果からPt中の酸素がPtシリサイドの成長速度に影響を与えることが示唆されたため、昨年の低真空下(10^<-2>Pa)での拡散を高真空下(10^<-5>Pa)で行い、その差異を検討した。この結果、真空度の差による相成長速度の相違は現れないことが明らかとなった。 Tiシリサイドに関する研究では昨年用いたチタンが99.5%と低純度であることから、本年度は99.99%Tiを用いて実験を行いその相違を検討した。低純度Tiを用いた場合、低温度・短時間の拡散では粒界拡散と思われる櫛歯状異常組織が現れたが、高純度Tiを用いた場合にはこれが現れない。また、TiSi_2の成長速度は高純度Tiを用いることによりおよそ2倍となる。高純度Tiを再結晶のため真空焼鈍したTiを用いた場合、TiSi_2の成長速度が低純度Tiを用いた場合と同じになることがあった。これは再結晶焼鈍の際に空気が混入しTiSi_2の成長速度を遅くしたと考えられ、Ti中の酸素および窒素濃度をLECO社製酸素窒素同時分析装置で測定し、再結晶のため真空焼鈍したTi中の酸素濃度が高くなっていることを確認した。 Moシリサイドは1000℃以上の温度で形成され、相形成には潜伏期間がある。1200℃では潜伏期間は無視できるほど短くなるが、Moシリサイドの拡散反応は拡散温度が相対的に低いことにより、MoおよびSiの表面状態の影響を強く受けると考えられ相成長速度係数の温度依存性はアレニウスの式で近似できなかった。
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Research Products
(1 results)