1992 Fiscal Year Annual Research Report
糸状菌と細菌のエチレン生成酵素の反応機構に関する研究
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04650879
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
小川 隆平 熊本工業大学, 工学部, 教授 (40029244)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 隆夫 熊本工業大学, 工学部, 助教授 (80165331)
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Keywords | エチレン / Pseudomonas syringae / Penicillium digitatum / α-ケトグルタール酸 / L-アルギニン |
Research Abstract |
αーケトグルタール酸よりエチレンを生成するpenicillium digitatumとPseudomonas syringae pv. phaseolicola PK2の2つの菌株よりエチレン生成酵素(EFE)を大量精製する方法を開発した。本年度はそのうち,Ps. syringaeのEFEについて調べた。精製されたPs. syringaeのEFEは比活性660nmol/mg protein/minを持ち,分子量はゲル濾過法で36kDa,SDS-PAGEで42kDaであった。等電点と最適pHは5.9と7.0〜7.5で,これらの性質は以前我々によって精製されているP. digitatumのEFEのものと大差がなかった。しかし,両者のN-末端アミノ酸配列は全く異なっていたことより,両者のタンパク質は全く異なっているものと考えられる。ついで,Ps. syringaeからの精製酵素標品を用いて,エチレン生成反応の化学量論式を構築した。その結果,エチレン生成酵素はα-ケトグルタール酸をエチレンにする反応とコハク酸を生成する反応を同時に触媒しており,その比は約2:1であった。主反応において,α-ケトグルタール酸はオキシゲネーションを受け,1分子のエチレンと3分子のCO_2を生産した。もう1つの反応では,α-ケトグルタール酸とL-アルギニンはそれぞれモノオキシゲネーションされ,コハク酸とCO_2とL-△^1-ピロリン-5-カルボン酸を生成した。これら2つの反応の共通の中間体として,L-アルギニンとα-ケトグルタール酸はSchiff-baseを形成しているとする dual-Circuitモデルを堤案した。
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[Publications] KAZUHIRO NAGAHAMA: "Purification and properties of an ethylene-forming enuyme from pseudomonas syringae pv. phaseolicola PK2" Journal of General Microbiology. 137. 2281-2286 (1991)
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[Publications] HIDEO FUKUDA: "Two reactions are simultaneously catalyzed by a single enuyme : The arginine-dependent simultaneous formation of two products,ethylene and succinate,from 2-oxoglutarate by an enuyme from Pseucdomonas syringae" Biochemical and Biophysical Research Communications. 188. 483-489 (1992)