1993 Fiscal Year Annual Research Report
糸状菌と細菌のエチレン生成酵素の反応機構に関する研究
Project/Area Number |
04650879
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Research Institution | Kumamoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
小川 隆平 熊本工業大学, 工学部, 教授 (40029244)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 隆夫 熊本工業大学, 工学部, 助教授 (80165331)
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Keywords | エチレン / エチレン生成酵素 / 2-Oxoglutarate / Pseudomonas syringae / Penicillium digitatum |
Research Abstract |
Pseudomonas syringae pv.phaseolicola PK2のエチレン生成酵素によって触媒される反応の化学量論式を構築し、さらに、この酵素による反応の機構を解析する目的で研究した結果、つぎのような結論を得た。 1.エチレンとコハク酸の生成比率 この菌のエチレン生成酵素によってalpha-ケトグルタール酸(KG)からエチレンとコハク酸を同時に生成し、その比率は2対1であった。 2.コハク酸生成反応とL-アルギニン分解反応の比率 この菌のエチレン生成酵素は、alpha-KGからコハク酸を生成する反応と、同時にL-アルギニンを分解する反応、つまり、全く新しいタイプのalpha-KG依存性ジオキシゲナーゼ反応を触媒した。alpha-KGからコハク酸を生成する反応と、L-アルギニンの分解反応の比率は1対1であった。 3.エチレンとCO_2の生成比率 この菌のエチレン生成酵素は、alpha-KGからエチレンと炭酸ガスを生成し、同時に、alpha-KGからコハク酸と炭酸ガスを生成した。このエチレンと炭酸ガスの生成比率は約1対3.5であった。 4.エチレン生成反応における酸素消費 この菌のエチレン生成酵素は、alpha-KGからエチレンとコハク酸を生成する反応、そして、同時にL-アルギニンを分解する反応を触媒し、これらの反応には、すべて酸素が必須と考えられていた。そこで、実際に酵素反応時にどの程度の酸素が消費されるかを調べたところ、Fe^<2+>だけの溶液でも少量の酸素消費が起こるが、完全な反応混液では、明らかに多量の酸素消費が認められた。
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Research Products
(1 results)