1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04660018
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
黒田 俊郎 岡山大学, 農学部, 教授 (10032301)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸田 芳朗 岡山大学, 農学部附属農場, 助手 (10116460)
熊野 誠一 岡山大学, 農学部, 教授 (20205173)
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Keywords | ダイズ / 花房次位 / 収量 / 収量構成要素 / 莢・数 |
Research Abstract |
ダイズ栽培では品種特性に応じた播種期と栽植密度とが要求される.晩生品種において,それら条件が稔実莢数の花房次位別構成に及ぼす影響に検討を加えた(品種フクユタカ;IVC)。播種期を早播,普通播,晩播の3水準,栽植密度を疎植,中間,密植の3水準とし,計9区を設定した.花房次位別および主茎・分枝別に収量形質を調査し,解析した. 稔実莢数は密植区のみで早播により増加が認められ,栽植密度では密植ほど著しく多くなった.主茎は分枝に比較し,いずれの区においても高次位(2次以上)莢数の割合が高い傾向を示した. 以下,稔実莢数の構成割合を検討すると,総莢数に(1)低次位の占める割合は晩播ほど増加した.しかし(2)栽植密度により差異はあまり大きくはなく,晩播区においてのみ低次位が増加した.(3)主茎が占める割合は,普通播区で多く,(4)栽植密度では密植になるほど多くなった.主茎だけをみると(5)早播により高次位の占める割合が増加したが,(6)栽植密度による影響は小さいものであった.分枝は(7)晩播ほど低次位が増加し,また(8)密植になるほど低次位が増加した. 以上を換言すると,播種期は主茎・分枝両者における花房次位別構成に影響を及ぼし,早播による「高次位化」が明かであった.栽植密度では,密植による「主茎化」が顕著であった.したがって,分枝における「低次位化」が認められたものの結果的には全体の次位変構成への影響は小さいものとなった.花房次位ごとに開花時期が異なり,このため光合成産物をめぐるそれぞれのシンク・ソース関係が異なるものと予測できる。したがって栽培条件の違いによる莢数の変動に対し,主茎・分枝ごとの花房次位別莢数構成を解析することが重要である。
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