1993 Fiscal Year Annual Research Report
ラン藻Microcystis aeruginosaに関する分子生物学的研究
Project/Area Number |
04660088
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Research Institution | SHIMANE UNIVERSITY |
Principal Investigator |
落合 英夫 島根大学, 農学部, 教授 (10032971)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芦田 裕之 島根大学, 遺伝子実験施設, 助手 (70231909)
澤 嘉弘 島根大学, 農学部, 助教授 (70127489)
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Keywords | アオコ現象 / Microcystis aeruginosa / プラスミドDNA / 遺伝情報解析 / ローリングサークル / ラン藻 / シアノバクテリア |
Research Abstract |
1.湖水域に於ける「アオコ」現象に関わる原核性生物種である、ラン藻(シアノバクテリア)Microcystis aeruginosaより、その大プラスミド pMA2を純粋に単離し、その全塩基配列の決定に成功した。pMA2は全塩基数4993bpであり、そのGC Contentは42.2%であった。(DDBJ Accession No.D17448:登録済み)。また細胞内におけるpMA1とpMA2の量的比率はおよそ6:1と計測された。pMA2とpMA1の塩基配列間には高い相同性を示す領域は見いだされなかった。 2.コンピューター検索の結果から,pMA2には、その正鎖、逆鎖にそれぞれ1個のORFの存在が認められたが、それらの仮想タンパク質と高い相同性を示すタンパク質は見出されなかった。またpMA1に於て確認されたreplication proteinに相当する配列も存在していなかった。しかし複製に必須なnicking siteの塩基配列として、pMA1に共通する配列(CTTG(↓)ATT)の存在が確かめられた。 3.pMA1(2287bp)にはグラム陽性菌であるBacillus sp.Lactobacillus sp.のプラスミド類が有するreplication proteinと相同性の高い領域、Ori領域及び複製開始点が存在していた。この検索結果に基ずいてpMA1の複製機構を調べた。pMA1を菌体より抽出後、S1 nuclease処理、Agarose gel電気泳動、Nylon transfer membrane移送及びそれぞれのプラスミドプローブによる Hybridization実験の結果からpMA1は明らかにRolling Circle Replication機構に従って複製される事が証明された。現在このreplication proteinの証明を進めている。M.aeruginosaのプラスミドpMA1のreplication proteinは同時にpMA2の複製にも関与している可能性が考察されている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Hiroshi Tominaga: "Structural Organization of a Cryptic Plasmid,pMA1,from Microcystis aeruginosa f.aeruginosa Kutzing" Bioscience,Biotechnology and Biochemistry. 57. 1503-1507 (1993)
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[Publications] Hiroshi Tominaga: "Characterization of a Small Cryptic Plasmid,pPF1,from Phormidium foveolarum and Vector construction" Bioscience,Biotechnology and Biochemistry. 57. 1795-1799 (1993)
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[Publications] Masahiro Kurokawa: "Replication of Filamentous Cyanobacterial Plasmids,pPF1 from Phormidium foveolarum and pPB1 from Plectonema boryanum." Bioscience,Biotechnology and Biochemistry. 58 (予定). (1994)