1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04660102
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山里 一英 東京大学, 応用微生物研究所, 教授 (40013320)
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Keywords | 海洋細菌 / Alteromonas属 / Delaya属 / Marinomonas属 / Pseudomonas属 / 化学分類 |
Research Abstract |
本邦沿岸で採取した海水・海藻・海産小動物などより、約200株のグラム陰性好気性海洋細菌の純粋培養菌株を得た。これらの中で、分類学的研究の少ない周毛性の菌株43株についてDNAのGC含量を測定したところ、39-43mol%G+Cを示したグループと48-67mol%G+Cを示したグループに大別された。低GC含量グループの菌株は調べた限りでは、いずれも電子伝達系の補酵素Q(キノン)としてユビキノン-8を持っていた。高GC含量グループの菌株は更に、ユビキノン-9を持つものとユビキノン-10を持つものが含まれていることが明らかになった。これらの特徴によるグループ分けは、菌体脂肪酸組成の特徴とも調べた限りでは一致しており、予備実験の結果を確認した。低GC含量・ユビキノン8のグループはAlteromonas属と、高GC含量・ユビキノン9のグループはDeleya属との類縁がそれぞれ考えられたが、高GC含量・ユビキノン10のグループは多様な菌株を含むと同時に類似の既知分類群がなく、分類学的、また、応用面での可能性の観点からも重要な菌群であることが確認された。 これらの分類学的検討のために、既存のグラム陰性好気性海洋細菌の既存種のキノン型を調べた結果、低GC含量・ユビキノン8のグループはAlteromonas属、Marinomonas属と、高GC含量・ユビキノン9のグループはDeleya属、pseudomonas属とキノン型において一致することがわかった。低GC含量・ユビキノン8のグループについては、DNAのGC含量からAlteromonas属の一部の種との類縁が強く示唆されたが、以下必要となる、種の詳細な検討のために、まずAlteromonas属の既存株の分類学的整理を行った。結果、A.atlantica,A.carrageenovoraの2種を新種として特徴付けを行い記載した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] M.AkagwaーMatsushita,M.Matsuo,Y.Koga & K.Yamasato: "Alteromonas atlantica sp.nov.and Alteromonas carrageenovora sp.nov.bacteria that decompose algal polysaccharides." International Journal of Systematic Bacteriology. 42. 621-627 (1992)
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[Publications] M.AkagawaーMatsushita,T.Itoh,Y.Katayama,H.Kuraishi & K.Yamasato: "Isoprenoid quinone composition of some marine Alteromonas,Marinomonas Deleya,Pseudomonas and Shewanella species." Journal General Microbiology. 138. 2275-2281 (1992)
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[Publications] A.Yokota,M.AkagawaーMatsushita,.A.Hiraishi,Y.Katayama,T.Urakami & K.Yamasato: "Distribution of quinone systems in microorganisms:Gramーnegative eubacteria." Bulletin of the Japan Federation for Culture Collections. 8. 136-171 (1992)