1993 Fiscal Year Annual Research Report
大豆たん白質-油-水系ゲルを用いた新規発酵食品の熟成機構の解析
Project/Area Number |
04660148
|
Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
安田 正昭 琉球大学, 農学部, 教授 (90045120)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 浩二 琉球大学, 農学部, 助教授 (50201257)
屋 宏典 琉球大学, 農学部, 助教授 (10177165)
|
Keywords | 大豆たん白質 / 大豆たん白ゲル / 大豆発酵食品 / 大豆チーズ / とうふよう / 熟成 / Monascus / 紅麹菌 |
Research Abstract |
近年、食生活が豊になるにつれ、成人病対策が重要な課題となり、コレステロールフリー食品の開発が必要とされ、植物性たん白食品の製造が種々試みられている。しかし、微生物の機能を利用したそれに関する知見はきわめて少ない。本研究代表者は、大豆たん白質、食用油及び水から形成したゲルにエチルアルコール存在下で微生物(Monsacus属菌)を作用させるとソフトチーズタイプの新しい発酵食品が得られることを見出した。本研究の目的は、大豆たん白質による新しい発酵食品の熟成機構を明らかにすることである。平成5年度は、以下の研究を行った。1.熟成過程における製品の物性変化と組織内部の微細構造変化との関係を調べた。すなわち、熟成過程における組織内部の微細構造変化を高倍率の走査型電子顕微鏡で観察したところ、網目構造を形成する大豆タンパク質の粒状物は熟成時間の進行に伴いより小さくなった。これは、熟成過程で製品のかたさ、凝集性などが減少すること及び大豆タンパク質がプロテイナーゼの作用で分解を受ける事実とよく一致した。2.熟成の短縮化技術を検討するために、系にタンパク質分解酵素の酵素剤を添加し、熟成過程における物性変化及び官能検査を行った。その結果、酵素剤添加区は無添加区に比べて物性が有意に変化することが明らかとなった。また、官能検査によっても熟成時間が迅速化されていると評価された。3.製品の食品栄養学的特性についても検討し、良好な成果を得た。
|
Research Products
(1 results)