1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04660182
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
祖父江 信夫 静岡大学, 農学部, 助教授 (50023495)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
甲斐 勇二 静岡大学, 農学部, 教授 (60022068)
竹村 冨男 名古屋大学, 農学部, 教授 (90014919)
平井 信之 静岡大学, 農学部, 教授 (70023439)
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Keywords | 金属アルコキシド / セラミックスー木材複合化 / 電気特性 / チタン酸ナマリ / ジルコン酸ナマリ |
Research Abstract |
本年度は、金属アルコキシドを木材中の水分によって加水分解し、木材中に特異な電気特性をもつ無機物を析出させ、木材ーセラミックス複合体を形成させることによって、木材の誘電・圧電特性を改良することを目的とした。析出物として、誘電特性にすぐれたチタン酸鉛PbTiO3_3およびジルコン酸鉛PbZrO_3を選んだ。試験体には、スギ、ヒノキ、スプルースおよび比較材のろ紙を用いた。 まず、チタンのアルコキシドと酢酸鉛およびジルコニウムのアルコキシドと酢酸鉛を反応させそれぞれの複合アルコキシドを準備し、一段階の加水分解で目的のチタン酸鉛およびジルコン酸鉛を析出させた。 チタン酸鉛のアルコキシド(約3.1×10^<-3>mol/g)はエタノールで5倍に希釈して、乾燥空気中で木材を漬けおき、4週間処理した。ジルコン酸鉛のアルコキシド(約1.3×10^<-3>mol/g)はトルエンで希釈し、さらにキレート剤としてアセチルアセトンを1:1の割合で添加し、加水分解の安定化をはかった。乾燥空気中でこの溶液に木材を漬けおき、4週間処理した。 それぞれの溶液で処理した後、溶媒をとばし、飽和水分の空気中で試験体を吸湿させアルコキシドを加水分解させ、150℃の空気中で24時間養生した。析出物による重量増加は、チタン酸鉛で25〜68%、ジルコン酸鉛で18〜33%であった。 X線解析の結果、析出物はいずれもアモルファス状態であった。処理による誘導率の増加は、チタン酸鉛で約25%、ジルコン酸鉛で約28%となった。誘電率の向上には、析出物の結晶化処理を行うことが有効と考えられる。
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