1992 Fiscal Year Annual Research Report
平滑筋における受容体サブタイプと情報伝達機構に関する研究
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04660322
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
小森 成一 岐阜大学, 農学部, 助教授 (70195866)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武脇 義 岐阜大学, 大学院・連合獣医学研究科, 教授 (00021717)
大橋 秀法 岐阜大学, 農学部, 教授 (40001531)
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Keywords | 平滑筋 / ムスカリン受容体 / ヒスタミン受容体 / G蛋白質 / 陽イオンチャネル / 細胞内カルシュウム放出 / オシレーション / パッチクランプ法 |
Research Abstract |
1.今年度(4年度)の研究計画は受容体アゴニストに対する単一平滑筋細胞の膜電流反応をパッチクランプ法により薬理学的に解析することであったが、予想以上に順調に進展し、その成果の一部はすでに国際学術雑誌に公表した。得られた知見を要約すると、(1)ムスカリン受容体、ヒスタミン受容体を問わず、受容体刺激によって2つの細胞応答、即ち非選択的陽イオンチャネルの開口による内向き電流と細胞内ストアからのCa放出に対応して起こるCa活性化Kチャネルの開口による外向き電流反応が発現する、(2)G蛋白質関連試薬(GTPγS、GDPβS)を用いた解析結果から、どちらの電流反応の発現にもG蛋白質が関与している、(3)しかし、内向き電流反応の発現に関与するG蛋白質は百日咳毒素に感受性であるのに対して外向き電流反応の発現に関与するG蛋白質は百日咳毒素に耐性である。この成果は、平滑筋細胞はもとよりことのほか多くの細胞の膜受容体・情報伝達系の理解を深める上で貴重である。 2.上述の知見に加えて、特にムスカリン受容体刺激によって発生する膜電流が律動的に変動することを見いだした。種々の細胞内Ca動態関連試薬(EGTA、ライアノジン、ヘパリン、カフェイン)などを用いた解析結果から、その律動性電流反応は細胞内カルシュウム濃度の変動に起因していることが明かになった。この成果は “平滑筋"の国際シンポジュウムで発表した。 3.次年度(5年度)では、単一平滑筋細胞において得られた1.2の結果が平滑筋組織においても通用するのか否かを確かめ、さらに単一細胞レベルでは困難である実験を行うために、化学的スキンド平滑筋標本を用いてアゴニストによるストアCa放出に及ぼすイノシトール燐脂質代謝関連試薬(ヘパリン、ネオマイシン)やG蛋白質関連試薬(GTPγS、GDPβS、百日咳毒素)の影響について検討する。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] S.KOMORI: "GTPーbinding protein involvement in membrane currents evoked by carbachol and hitamine in guineaーpig ileal muscle" Journal of Physiology. 450. 105-126 (1992)
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[Publications] N.OHASHI: "Potentiation of muscarinic inward current by calcium released from internal stores" Japanese Journal of Pharmacology. 58. 406 (1992)