1992 Fiscal Year Annual Research Report
濾過免疫結合によるマイコプラズマの迅速検出法の研究
Project/Area Number |
04660333
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
清水 高正 宮崎大学, 農学部, 教授 (10040825)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永友 寛司 宮崎大学, 農学部, 助教授 (10041063)
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Keywords | 濾過免疫結合 / マイコプラズマ / 抗原検出法 / 血清反応 |
Research Abstract |
目的:家畜・家禽のマイコプラズマ病の診断法には本菌を分離・同定する方法が最も確実であるが、この遂行にはかなりの手間と時間と熟練を必要とする。この研究は検体中のマイコプラズマを培養せずに、直接濾紙上に濾過分離し、イムノバインド法を用いて本菌を迅速に検出する技術を確立するのを目的とする。 方法:マルチマイクロフィルター(本研究費補助金で購入)にセルロース膜をレットし、ハンディポンプ(同上)を用いて検体を濾過後膜を乾燥させ、オキシドール処理後スキンミルク液でブロッキングして、再度フィルターにセットし、10〜25μlの抗血清を添加・濾過した。膜を洗浄後、ブロッキング液で希釈したペロキシダーゼ標識二次血清で処理し、発色液で発色させた。成績と考察:供試した12種のマイコプラズマ家兎免疫抗血清は、いずれも100〜400倍希釈で異種抗原と非特異反応を示した。検討の結果、これらの抗血清はいずれも培地成分に対する抗体を保有することが判明した。従って、抗血清を10倍容の培地で1夜吸収し遠心上清を供試したところ、12種ともホモの抗原のみと特異的に反応した。これらの吸収血清による新鮮培養抗原の検出限度は10^3ないし10^4CFU/mlであった。 また、これらの限度以上の菌数が存在すれば2種のマイコプラズマが共存しても、おのおのの吸収抗血清により的確に反応が認められ、本法は比較的多数の菌対が存在する臨床材料からの本菌の簡易検出に実用できることが示唆された。なお本法に用いる各種セルロース膜の優劣比較及び牛・鶏の臨床材料を用いた実用試験も実施中でり、平成5年度に完結する予定である。
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