1993 Fiscal Year Annual Research Report
濾過免疫結合によるマイコプラズマの迅速検出法の研究
Project/Area Number |
04660333
|
Research Institution | MIYAZAKI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
清水 高正 宮崎大学, 農学部, 教授 (10040825)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永友 寛司 宮崎大学, 農学部, 助教授 (10041063)
|
Keywords | 濾過免疫結合法 / マイコプラズマ検出法 / 非培養検出 |
Research Abstract |
〔研究目的〕前年度の実験成績を基に、実験術式を設定した濾過免疫結合法(以下FIB)反応が、野外材料からのマイコプラズマ(以下Mと略称)抗原の迅速な検出に応用できるか否かを検討することを主な目的とした。 〔研究材料〕宮崎県下の6か所の農場で採取された144頭の子牛の鼻汁ぬぐい液と、出荷・処理時に採取されたブロイラー鶏247例の咽喉頭部スワブを検体とし、FIB法と培養法を併用してMの検出を行った。 〔成績と考察〕子牛鼻汁からは、培養法により48例からMが分離され、分離集落の酵素抗体法による同定で、M.bovirhinisがすべての陽性例から、またM.bovisが前者に混合して5例からそれぞれ検出された。FIB法では、前者が陽性を示したのは40例、M.bovis陽性は5例であつた。一方、鶏の咽喉頭スワブからの検出成績は、M.gallisepticumが培養法で22例、FIB法で7例、またM.synoviaeが培養法・FIB法共に3例から検出された。両材料を通じて、FIB法で陽性を示した検体からはすべて培養法でMが分離され、検出率はFIB法が培養法より劣ることが判明した。FIB反応にはMの抗原濃度が10^4ないし10^5CFU/mlを必要とするのに対し、培養法では理論上10^3CFU/ml以上のMが存在すれば分離培養でき、今回の供試材料のCFU係数では、特に鶏の場合のM保有数が少ないことがこのような差を生じた原因と思われる。ただし、分離培養法は集落確認までに3ないし7日を要し、更に集落の同定に半日ずつを必要としたのに対し、FIB法は検出と同時に同定が可能なため、材料を採取・搬入後僅か4時間で結果を得ることができた。これらの成績から、FIB法は検体中にMが多数保有される病的材料からのMの検出には好適と結論した。
|