1992 Fiscal Year Annual Research Report
急速凍結法によるアミン貯蔵果粒の形成と金属元素の濃縮機構に関する研究
Project/Area Number |
04670027
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
大門 建夫 帝京大学, 医学部, 助教授 (40091037)
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Keywords | 急速凍結 / 分析電子顕微鏡 / 副腎髓質 / アミン貯蔵果粒 / 金属元素 |
Research Abstract |
1.ラット血小板及び巨核球のアミノ貯蔵果粒について ラットの血小板及び巨核球を液体窒素で冷却した純銅ブロックに接触し急速凍結した。アセトンで凍結置換、樹脂に包埋して水を使用しないで薄切した。エネルギー分散型微小部X線分析装置で元素分析をした。血小板のアミン貯蔵果粒はNa、Mg、K、Caを高濃度で含んでいたが、巨核球の果粒はKとCaは血小板と同程度含んでいたが、NaやMgは有意に少なかった。すでにセロトニンは巨核球に含まれずに血小板として血管中に放出されてから血漿より吸収することが明らかなので、今回の分析電顕の結果より巨核球のアミン貯蔵果粒はまずCaとKをATPと共に貯え、ついで血小板として血管中に放出されてからセロトニンと共にNaやMgを取り込むことが明らかになった。 2.ラット副腎髓質クロム親和性細胞について 血小板と同様に作成した凍結置換切片を分析したところ、アドレナリン細胞とノルアドレナリン細胞では元素組成が異なっていた。すなわち、アドレナリン細胞では主としてP、Cl、Kが、ノルアドレナリン細胞ではP、Cl、Kに加えてCaが検出された。正常ラット副腎髓質をニコチン投与してアミン貯蔵果粒を放出された後に、経時的に電顕で追求し、1時間後には細胞内でGolgi装置が発生し果粒の形成が盛んになることが判明した。現在、未熟な果粒について分析中である。
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