1992 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト男性生殖器ABH関連抗原発現メカニズムの組織化学的分子生物学的解析
Project/Area Number |
04670353
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
西 克治 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (60073681)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 光子 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (80145911)
山本 好男 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (60111902)
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Keywords | 免疫組織化学 / ABO血液型関連抗原 / 男性生殖器官 |
Research Abstract |
合計63例の解剖体から得られた男性生殖器官各組織に付いて、各個体の血液型と生殖器官組織での抗原発現の関連を抗A、B、H、Lea、Leb、Lex、Leyモノクローナル抗体、アビチン・ビオチン・パーオキシダーゼ(ABC)法を用いて光学顕微鏡レベルで検討した結果、以下の知見がえられた。 精巣では、精母細胞などのgermcellの細胞膜面成分に沿ってABH抗原の発現を見るが、精子には、今回用いた抗体との反応性は見られなかった。また、精巣輸出管内に貯蔵されている精子にも抗体との反応性も見られなかった。一方、精巣輸出管、精嚢腺や前立腺では、ABH抗原の発現を認めた。このことは、射精された精子に見られるABO抗原は精嚢腺や前立腺からの分泌抗原が吸着されたもの、すなわち、コーチィングアンチゲンであることを示している。精巣輸出管では、個体のABO並びにLe血液型と矛盾しない抗原の発現が見られ、抗原の発現は、H遺伝子(H)、分泌遺伝子(Se)、ルイス遺伝子(Le)、ルイスX遺伝子(X)の支配を受けていることが判明した。精巣上体管では、各個体ともLeY抗原のみがゴジル領域に一致して発現され、HとXのみの支配を受けていることが判明した。精嚢腺では、個体と一致したABO抗原がSe遺伝子の支配を受けて発現されていたが、LeaやLeb抗原の発現は見られず、H、Se、Xの支配を受け、Le遺伝子の関与はないことが判明した。前立腺ではH、Se、Le、Xの各遺伝子の関与が見られ、ABO、Lea、Leb、X、Y抗原がモザイク状に発現され、抗原発現のheterogeneityが示された。
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Research Products
(1 results)