1992 Fiscal Year Annual Research Report
微小透析法を用いたホルモン・エネルギー代謝変動の経時的な研究
Project/Area Number |
04670755
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
標葉 隆三郎 東北大学, 医学部, 助手 (20192106)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大河内 信弘 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (40213673)
黒川 良望 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (80215087)
平山 克 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (20181191)
西平 哲郎 東北大学, 医学部, 講師 (50101142)
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Keywords | 微小透析法 / 脳内カテコールアミン / 手術侵襲 |
Research Abstract |
ラットを用いて微小透析法(microdialysis)の基礎実験を行なった。脳内視床下部に微小透析法用チューブを挿入し、手術侵襲モデル(開腹、開胸、腹膜炎、サイトカイン注入)における視床下部におけるカテコールアミンの変動を経時的に調べた(20分毎)。 実験の結果、手術侵襲が加わると瞬時に脳内ノルエピネフリンが上昇する。さらに4-6時間後にはカテコールアミンは減少傾向を示した。一方、腹膜炎モデルでは、後期において、侵襲前値よりも低下し、開胸モデルにおいても同様の変化が見られた。 手術侵襲の違いによって脳内カテコールアミンの分泌動態が異なることから、侵襲に対する中枢神経系の複雑な反応が明らかになった。中枢神経系のサイトカインに対する反応についても研究を進めており、今後は、熱傷モデル、エンドトキシンモデルについてもホルモン変動を検討する。 一方、筋肉中の糖質あるいはエネルギー基質中間体についての検討は、HPLCの新しいシステムを構築したので、糖質投与による細胞内糖質濃度の変化について、ヒトを対象として検討できる段階にある。現在まで栄養輸液の生体への影響や筋や脂肪細胞内などの細胞外液や血管内などの細胞外液内の変化についての検討はされておらず、まだ研究の端緒をつかんだ段階であるが、本研究によってこれらの変動を経時的にとらえられると考える。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 標葉 隆三郎: "周術期栄養管理の実際 食道手術" 消化器外科. 15(5). 565-574 (1992)
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[Publications] 標葉 隆三郎: "病態別栄養管理の実際ー糖尿病合併患者" 外科診療. 5(39). 615-624 (1992)
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[Publications] 標葉 隆三郎: "新しい栄養素材ー脂肪(MCTを心中に)" 臨床外科. 47(4). 459-464 (1992)