1993 Fiscal Year Annual Research Report
高プロリン含有唾液ペプチドP-B前駆体CDNAのクローニング
Project/Area Number |
04671149
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Research Institution | THE NIPPON DENTAL UNIVERSITY COLLEGE AT NIIGATA |
Principal Investigator |
伊勢村 知子 日本歯科大学新潟短期大学, 教授 (10112963)
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Keywords | 唾液 / 高プロリン含有ペプチド / P-B / cDNA / クローニング / PCR / 顎下腺 |
Research Abstract |
当初P-Bのアミノ酸配列に対応する混合オリゴヌクレオチドをプローブとしてヒト顎下腺cDNAライブラリーをスクリーニングしP-BcDNAクローンを得ようとしたが不成功であった。そこでプライマーとしてアミノ酸配列に対応する混合オリゴヌクレオチトとオリゴdTを、テンプレートとしてヒト顎下腺cDNAを用いるPCR法によりP-BcDNAの増幅を試みたところ、P-Bの前駆体をコードする0.8kbpのcDNAが得られた。このPCRではP-Bのアミノ酸配列に対応する混合オリゴヌクレオチドはプライマーとして機能せず両鎖ともオリゴdTをプライマーとして伸長していた。増幅されたP-BcDNAは86ベーの5'側非翻訳領域、240ベースの全コーディング領域、368ベースの3'側非翻訳領域を含む。コーディング領域は22アミノ酸残基のシグナルペプチドと57残基のアミノ酸配列に対応する塩基配列および終止コドンTAAより成る。3'側非翻訳領域ではポリA上流13ベースの部位にポリA付加シグナルAATAAAがある。 P-BcDNAの塩基配列解析の結果からP-Bは唾液に存在する57残基の形が完全形であることが明らかになった。 ホモロジー検索の結果、マウスのmsg1、msg2、msg3とホモロジーを有することが解ったがヒト唾液のP-B以外の高プロリン蛋白質との高い相同性は認められなかった。 P-BcDNA由来のフラグメントをプローブとするノーザンブロットではヒト胎盤に5-8kbのシグナルが認められた。ヒトDNAの各種制限酵素分解物のサザンブロットではいずれの酵素の分解物も複数のシグナルを示しP-Bをメンバーとするマルジーンファミリーが存在する可能性を示唆した。
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