1992 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト免疫不全ウイルス感染症の口腔病変に関する電子顕微鏡学的研究
Project/Area Number |
04671234
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
杉原 一正 鹿児島大学, 歯学部, 助教授 (00117516)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石神 哲郎 鹿児島大学, 歯学部, 助手 (30232276)
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Keywords | ヒト免疫不全ウイルス感染症 / 口腔カンジダ症 / 口腔毛状白板症 / Epstein-Barr virus / 電子顕微鏡学的研究 |
Research Abstract |
(1)HIV感染症の口腔カンジダ症に関する走査型電子顕微鏡学的研究 HIV感染症患者の口腔カンジダ症病変部より擦過標本を採取し、Candida albicansの培養・同定を行い、その試料を走査型電子顕微鏡で観察し三次元的立体構造の検索を行った結果、Candida albicansの口腔粘膜上皮細胞への定着様式には、酵母形では付着、上皮細胞下付着、陥凹形成があり、菌糸形では侵入の定着様式があることが明らかとなった。 (2)HIV感染症の口腔毛状白板症におけるEpstein-Barr virusの電子顕微鏡学的検出法に関する研究 HIV感染症患者の口腔毛状白板症の舌病変部から擦過標本を採取し、超遠心分離を行った後にネガティブ染色を行い、Epstein-Barr virusの電子顕微鏡学的検出を行った結果、圧縮空気による超遠心分離を行った後にネガティブ染色を施行し電子顕微鏡で観察すると通常のネガティブ染色より約3倍の高率にEpstein-Barr virusを検出することができた。また、生検材料の超薄切片法による透過型電子顕微鏡による検索では、舌粘膜上皮の棘細胞層上部から角化層にかけての核質内にEpstein-Barr virusのヌクレオ・カプシドが認められ、細胞質内や細胞間隙には成熟したEpstein-Barr virusが多数観察された。 今後さらに検索材料数を増やして(1)と(2)について検討しHIV感染症患者の口腔病変とりわけ口腔カンジダ症との口腔毛状白板症に焦点をしぼり電子顕微鏡による両者の鑑別法と発症病変を明らかにしていきたい。
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