1992 Fiscal Year Annual Research Report
顎関節症の発症機序に関与する関節およびその周囲組織の病態と生理に関する実験的研究
Project/Area Number |
04671248
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
覚道 健治 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (30131379)
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Keywords | 顎関節症 / 顎関節 / 病態生理学 / 力学解析 / 有限要素法 / ストレインゲージ |
Research Abstract |
顎関節症の発症機序に関しては、従来より実験的に咬合異常が引き起こされた際の顎関節および咀嚼筋における病理組織学的研究が数多く認められる。一方、顎関節は、咬合咀嚼時に加わる強力な圧を歯根膜と共に負担している。しかし、これらの圧の顎関節における力学的応答については不明な点が多く、さらに顎関節の発症機序をバイオメカニクスの観点から検討した報告は少ない。そこで本研究では、1)正常および咬合異常時の噛みしめ時における顎関節の力学的応答を有限要素法により数値解析した。解析には、NEC社製パーソナルコンピュータPC-9801を用い、プログラムはくいんと社製2次元平面応力プログラムSTRS2Dを使用した。その結果、正常噛みしめ時には関節円板後方肥厚部相当部および関節結節後方斜面に応力の集中がみられたのに対して、咬頭干渉が付与されれば、関節円板相当部のみならず下顎窩の広範囲に応力が集中し、特に臼歯部に咬頭干渉が付与された時よりも前歯部に咬頭干渉が付与された時の方が著しかった。2)下顎位および下顎運動の変化ならびに咀嚼運動の変化に伴うヒトおよびサル顎関節の力学的応答を側頭骨鱗部大脳面に貼付した三軸ストレインゲージの骨ひずみにより解析を行った。その結果、最大開口時に下顎窩の圧縮ひずみは最大になり、ついで側方運動時であった。また硬さの異なる食品を人為的に咬合させ、下顎窩のひずみを測定すると、臼歯部よりも前歯部で咬合させた時のほうが下顎窩の伸展ひずみは大きくなった。
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Research Products
(1 results)