1992 Fiscal Year Annual Research Report
食物繊維による経口摂取RI標識発がん物質の体内吸収軽減効果
Project/Area Number |
04671397
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
山本 一郎 北里大学, 衛生学部, 教授 (10050361)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
来馬 弘子 北里大学, 衛生学部, 助手 (50129269)
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Keywords | 食物繊維 / 食用海藻 / 海藻抽出物 / RI標識発がん物質 / あまのり / ほそめこんぶ / DMNA / N-[methyl-^<14>C]-nitrosodimethylamine |
Research Abstract |
平成4年度は以下に述べる研究実績を得た。 1.動物実験は、2%寒天添加飼料と2%ほそめこんぶ添加飼料をそれぞれ4日間自由摂取させた雄性SD系ラット(1群5匹)にN-[methyl-^<14>C]-nitrosodimethylamine(DMNA)の18.5KBq/0.5mlを1回胃内投与して3時間後、24時間後に動物を解剖、各臓器、血液、尿における[^<14>C]含量をシンチレーションカウンターで測定し、DMNAの取り込み量を算出した。対照群のラットには標準飼料を摂取させ同様の実験をおこなった。 その結果、標的臓器の肝臓に取り込まれたDMNA量は実験群ラットでは、3時間後(寒天摂取群;0.077±0.013nmol/g tissue、昆布摂取群;0.079±.0.01)、24時間後(寒天摂取群;0.049±.0.012,昆布摂取群;0.038±0.008)ともに対照群(3時間後;0.082±0.009,24時間後;0.052±0.006)に比べて低値を示し、発癌物質の腸管からの吸収軽減効果が確かめられた。 2.食物繊維含量の多い7種類の食品または海藻抽出物(寒天、あまのり、ほそめこんぶ、アルギン酸、フコイダン、カラゲナン、ビバナチュラル)と対照食物繊維としてのセルロースのそれぞれを用いたDMNAとの試験管内結合テストでは、これらの食品または抽出物の吸着の多寡と食物繊維含量との相関はみられず、寒天;0.21%,あまのり;0.18%,ほそめこんぶ;0.65%,アルギン酸;0.36%,フコイダン;0.43%,カラゲナン;0.36%,ビバナチュナル;0.62%,セルロース;0.26%の吸着率を認めた。 以上の結果をまとめた論文は平成4年12月、Journal of Applied Phycologyに受理されている。
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