1992 Fiscal Year Annual Research Report
ベルクアカデミー・フライベルクが日本の技術発達上与えた影響
Project/Area Number |
04680104
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
木本 忠昭 東京工業大学, 工学部, 教授 (20052855)
|
Keywords | ベルクアカデミー、フライベルク / 鉱山技術史 / 日本鉄鋼技術史 / 日独技術移転 / 工業教育史 / 日本工学史 |
Research Abstract |
まず日本人がベルクアカデミー・フライベルク(BAF)から直接学んだ形態の影響を明らかにするために.日本人留学生の全容を分折した.。これによって.留学生の全名簿を明らかにしえたことは.重要な成果であった。彼らの.勉学履修状況についても相当な資料を入手できた。彼らの勉学状況は.講義に登録していても.必ずしも最終試験をうけていない場合が多い。成績自体は.一部を除いて概して優秀であったと評価できる。 留学した日本人は帰国して日本鉱山技術および鉄鋼技術の基礎を形成したが.基本的にはBAFを肯定的に評価し、範とした。秋田鉱山専門学校は.唯一の(日本での)鉱山専門学校であったが,初代校長の小花冬吉は.BAFをたえず意誠し.鉱山学校の範としてBAFを位置づけていた。鉱山学会やら代会長渡辺渡も.帝国大学工科大学教授時代を通じて.留学体験から鉱山技術の展望を得ていた。的場中も同様であったし、東北帝国大学教授でのち秋田鉱山専門学校設立の基本構想を策定した一人の渡辺武男もそうであった。そもそも日本で唯一の鉱山専門学校設立を提起し、その構想をつくった当時者は.いずれもBAF留学生であったから.彼らのうけた影響は.もっとも基本なところに作用したと言うべきであろう。 秋田鉱山専門学校では.初期専門教育としては.英独米のテキストからの影響がきわめて強かったことも.図書館所蔵の蔵書によって判定できる。さらに鉱山技術として.BAFから立抗や通風装置、運搬装置などのモデルを講入して.教坂に資したが.これらは現存している。 なお東京、京都、福岡での鉱山教育については.次年度でとり扱うこととした。さらに鉄鋼技術の分野についても次年度において分折することとしている。
|