1992 Fiscal Year Annual Research Report
血中乳酸除去能の改善が持久力の向上に果たす役割に関する研究
Project/Area Number |
04680134
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
丸山 敦夫 鹿児島大学, 教育学部, 助教授 (80117548)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
美坂 幸治 鹿児島大学, 教育学部, 教授 (10041401)
平木場 浩二 鹿児島経済大学, 社会学部, 助教授 (70173226)
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Keywords | 血中乳酸消失率 / 持久性トレーニング / 持久性パフォーマンス |
Research Abstract |
持久性鍛練者は運動時の血中および筋中の乳酸除去に対して優れた能力を有すると考えられている。しかしながら、持久性トレーニングが持久性鍛練者の乳酸除去能をどのように高めるかは明かではない。本研究の目的は、持久性トレーニングが回復運動による血中乳酸消失に影響するか、そして乳酸消失がパフォーマンスと関連するかを検討することである。 11人の長距離走者が自転車エルゴメーターを用いて最大酸素摂取量および乳酸性閾値を得るために最大漸増運動を実施した。さらに、トレーニングの前後に代謝水準にもとづいて固定された150%乳酸性閾値強度の主運動を3分間行ない、その後100%乳酸性閾値強度での回復運動を15分間行なった。血液サンプルは回復運動中1,2,3,4,5,7,10,15分目に採血された。血中乳酸消失率は回復運動時のピーク乳酸値以後の時間と乳酸値の対数回帰によって算出された。 最大酸素摂取量および乳酸性閾値はトレーニング前後で有意に増加した。血中乳酸消失率はトレーニング前で-9.266mmol・1^<-1>・log(min)^<-1>からトレーニング後で-12.444mmol・1^<-1>・log(min)^<-1>へと有意に減少した(P<0.001).12分間走の距離はトレーニング前で3612mからトレーニング後で3744mへと有意に上昇した(P<0.001).トレーニング前後において血中乳酸消失率の変化分は12分間走の距離の変化分と有意に相関した(r=-0.895,P<0.001).我々は、持久性鍛練者においてパフォーマンスの改善は乳酸性閾値の変化より血中乳酸消失の変化と密接な関係にあることがわかった。さらに、我々は持久性鍛練者において乳酸消失の向上は持久性能力の重要な要因であると推察している。
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