1993 Fiscal Year Annual Research Report
北海道における第四紀自然史の教材化の研究-主として北緯43°線上の都市とその周辺の土地の生いたち-
Project/Area Number |
04680300
|
Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY OF EDUCATION |
Principal Investigator |
田中 實 北海道教育大学, 教育学部・札幌校, 助教授 (70227180)
|
Keywords | 河川流路変遷 / 第四紀学 / 石英斑岩 / ビデオ教材 / 地史教材 |
Research Abstract |
本研究は、教科教育の性格上、研究面と教材面の2部構成としている。 研究面では札幌市の中央部を流れる豊平川が現在のような北進ではなく、かつて東進していた証拠を上流の一部地域のみに分布する石英斑岩に注目し、岩石学・堆積学的アプローチによって解明することを目的とした。 石英斑岩を含む礫層の分布を明らかにすることによって過去の流路推定が可能なことから、札幌市の北東部を中心に礫層調査を実施した。その結果、石英斑岩を含む礫層の分布は市の北東部でも発見され、豊平川の中・下流部がかつて大きく流路を変えたことが明らかになった。 また、石英斑岩の産出地点での母岩の特徴と、礫となった石英斑岩とを岩石学的な視点から対比を試みたが、現在までのところ際立った相関は見つかっていない。 つぎに本調査地域の教材化に関しては、ビデオ映像を地史教材のなかに位置づけ、ビデオ教材の作成に取り組んできた。なかでも空間的認識を促す方策として立体地形やカラーグレイデイションを含むコンピューターグラフィックスを生かしたものをめざしてきたが、器材の納期遅れによりようやくCG作成ができるようになった段階である。資料映像取材は札幌市内ではほぼ終了したが、十勝・釧路での取材期間稀にみる悪天候に見舞われ取材内容は不十分である。しかし今後も資料収集をつづけビデオ教材を作成していきたい。 当面は札幌市の土地の生いたちに関わって、石英斑岩をキーに岩石学および堆積学的な調査を継続し、その裏付けを背景により第四紀の地史の実態に即したビデオ教材の作成と、教育現場での実践をとおして、教材としての評価をしていきたい。
|