1992 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト膵ラ代島移植のための免疫学的修飾に関する研究: ラ氏島分離法の開発とその移植前
Project/Area Number |
04807092
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
榎本 和夫 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (70223659)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 進 千葉大学, 医学部, 助手 (50234828)
浅野 武秀 千葉大学, 医学部, 講師 (80143311)
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Keywords | I型糖尿病 / 膵移植 / ランゲルハンス島移植 / ラ代島単離法 / 自動コラゲナーゼ持続潅流ラ代島分離装置 / メカニカルチッツパー / コラゲナーゼ |
Research Abstract |
ラ氏島移植は移植手技が簡便で移植手技にともなう合併症がないこと等、多くの利点を有しているが、ヒト膵より効率よくラ氏島を分離する有用な方法がないこと、拒絶反応により容易に機能廃絶してしまうこと等解決すべき問題点も少なくない。そこで本研究では、多大な労力と時間が必要で実際的とはいえず、またラ氏島の収量も極めて不良であった従来のラ氏島分離の為のコラゲナーゼ消化法を改良した自動コラゲナーゼ持続潅流ラ氏島分離装置を作製し、ヒト摘出膵よりviabilityの高いラ氏島の効率的分離法を確立することが可能か否か研究を行った。 恒温槽、ペリスタポンプ、分離チェンバー、フィルター等よりなる自動ラ氏島分離装置を試作した。この自動ラ氏島分離装置簡易モデルにおいて装置の素材、回路の材質、分離チェンバーの振動数、さらにはコラゲナーゼの種類、消化時間、外分泌細胞よりの単離方法等についてイヌ、ブタ摘出膵を用いて検討し問題点を明らかにした。 その結果ラ氏島の分離がこの自動ラ氏島分離装置のみでは不十分であり、1ドナーから1レシピエントといった1:1の移植を恒常的に行なうことが困難であった。これは過消化、未消化のラ氏島が混在する為であり、消化を効率化し時間を短縮する必要があると考えられた。そこで平成5年度に於ては、膵組織細切の為のメカニカルチョッパーの導入を考慮している。試験的研究ではメカニカルチョッパーと自動ラ氏島分離装置の併用で膵消化時間の短縮、サイズの大きなラ氏島の分離、分離ラ氏島数の向上が観察されている。
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