1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04807118
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
池上 博雅 大阪大学, 医学部, 助手 (10184409)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田坂 慶一 大阪大学, 医学部, 助手 (50155058)
小池 浩司 大阪大学, 医学部, 助手 (70225340)
廣田 憲二 大阪大学, 医学部, 講師 (00189888)
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Keywords | TRH / ドーパミン / TRHレセプター / 視床下部 |
Research Abstract |
初年度は、TRHの視床下部ドーパミン放出への影響をin vitroで検討した。 [方法]ウィスター系雌ラットを断頭し、視床下部組織を酵素処理して細胞を分離し、単層培養して実験を行った。^3Hドーパミン(DA)で2時間の前培養後、十分に洗浄しTRHをはじめ各種薬剤を添加し、一定時間後培養液中に放出される^3H-DAの放射活性を液体・シンチレーションカウンターにて測定した。ウィスター系雌ラットの脳室内に脳内カニューレを留置し、オスモティックポンプを用いて1μMのTRHを接続的に投与し7日後、視床下部を取り出し膜分画を用いて^3H-MeTRHをligandとして、TRH receptor-assayを行った。 [成績](1)TRHは時間依存性及び濃度依存性に視床下部ドーパミンニューロンからの^3H-DAの放出を促進させ、1μM、20分間の培養で最大の増加を示すことが明らかとなった。(2)DA-D_1、D_2受容体のそれぞれに特異的な阻害剤であるSCH23390、(-)Sulpirideは^3H-DAの放出を抑制せず、またTRHの^3H-DAの放出作用にも影響を及ぼさなかった。(3)TRHの^3H-DA放出作用の特異性を検討するためにオキシトシンやVIPを添加したところ^3H-DAの放出作用に影響を及ぼさず、TRHの作用にも影響を及ぼさなかった。(4)TRH receptor assayではScat chard解析により高親和性で単一のreceptorが検出された。TRH投与群とcontrol群の比較では、解離定数(Kd)はcontrol群3.6nM、TRH群2.7nMと明らかな変化はないが、最大結合部位数(Bmax)はcontrol群30.2fmol/mg protからTRH群15.3fmol/mg protと減少しており、投与されたTRHがTRH receptorを介して作用している可能性が明らかとなった。 [総括]以上の実験成績より、TRHはラット視床下部に直接作用し、TRHレセプターを介してドーパミンの放出促進作用を有することが明らかとなった。
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