1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04807139
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
根本 君也 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (00050039)
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Keywords | コンポジットレジン / 収縮 / 体積収縮率 / 線収縮率 / 硬化速度 / フィラー / 充填率 / 収縮応力 |
Research Abstract |
コンポジットレジンの収縮を支配している因子を解析するために、モノマーの収縮率、フィラーの混入率、硬化速度などとコンポジットレジンの体積収縮率、線収縮率、窩洞表面の収縮状況、および収縮応力との関係をしらべた。 その結果、化学重合型試作コンポジットレジンの体積収縮率はフィラーの体積率に応じたモノマーの体積収縮に依存したが、線収縮率はその1/3とはならず、フフィラーの体積率に関係なくフィラー量50〜60%に相当するほぼ一定値を示した。また、線収縮率の試験体の長さによる影響は、5mm以上では長さの影響がなく約2%であったが、試験体が短くなると3倍以上にも達し、臨床的な窩洞の大きさと形態によって相違することがわかった。 フィラーの体積率を変えたときの収縮応力は、約40%まで体積率に比例して大きくなったが、それ以上混入したとき20〜30分後に窩洞からの剥離が生じたと思われる急激な応力の低下がみられ、最終値が40%混入時とほぼ同様な値であった。表面の収縮による形状はフィラーの体積率が大きいとき収縮による陥没が浅くなり、コンポジットレジンの体積収縮の減少と一致する傾向であった。 重合開始剤の量を変えた試作レジンの線収縮率はフィラーの無いときに開始剤の量に比例して大きくなったが、60wt%のフィラーを混入したときに低い値でほぼ一定値を示す傾向であった。しかし、収縮応力はほぼ反対にフィラーを混入したときに開始剤の量に応じて大きくなる傾向を示し、線収縮と収縮応力発生が異なった機序であることが示唆された。フィラーを混入したコンポジットレジン表面の形状は硬化速度が速いとき浅くなり、同じ体積率の材料で表面の収縮量が減少したことから、硬化中の流動変形の量によって収縮応力が影響を大きくうけることが明らかになった。
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Research Products
(2 results)