1993 Fiscal Year Annual Research Report
教員養成大学学生の地理教育体験と現職教員の地理教材指導状況に関する調査・研究
Project/Area Number |
04808039
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
寺本 潔 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (40167523)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩本 廣美 奈良教育大学, 教育学部, 助教授 (40243349)
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Keywords | 地理教育体験 / メンタル・マップ / 地理教材 / 視聴覚教育 / 地図指導 / 野外地理学習 / 作業学習 / 師範学校教育 |
Research Abstract |
教員養成大学学生の地理教育体験について、500名近いアンケート調査を実施し、その体験の中身について検討した。その結果、著しい地理教育への不満や忌避傾向が検出できた。従来より指摘されていた暗記教科としての性格への不満とともに、作業学習や視聴覚教育の不足が指摘される。野外地理学習への好みは、調査でも明らかにされ、いかに体験的な学習が大切かがうかがわれる。また、先進的な学校への視察では、有能な教員と優れた施設の有効活用の実態があり、地理教育を支える「人」と「モノ」の重要性が改めて指摘できる。 現場の教育状況でも、施設備品の老朽化は予想外に進み、地図類や視聴覚部屋の整備も地理にとっては遅れている。本研究では、膨大な調査結果の中から、地理教育改善に役立つ資料も掲載した調査研究報告書を作成した。前年度実施した、アンケートの分析、先進的学校の視察、教育現場からの聞き取り、優れたカリキュラムを持つアメリカ合衆国の資料の翻訳紹介、師範学校地理教育の実態を伝える資料の発掘、地理教師が必要とされるフィールドワークの資質についての検討など、多方面からのアプローチを報告書には盛り込んだ。また、本研究を通して、日本の初等中等地理教育が教員養成大学学生に残した地理的資質の是非についても考察を深めることができた。将来、小・中・高等学校の教員になるべく、大学生の持つ、地理へのイメージは悪く、一層の改善への努力が望まれるが、本研究では、その重要な手掛かりがつかめたと思われる。
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