1993 Fiscal Year Annual Research Report
「異文化共存」の可能性-アジア・太平洋圏における実態調査研究
Project/Area Number |
05041010
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
青木 保 大阪大学, 人間科学部, 教授 (80062636)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 真佐子 大阪大学, 人間科学部, 助手 (40252564)
多和田 裕司 長崎大学, 教養部, 講師
土佐 昌樹 神田外語大学, 韓国語学科, 講師 (10237084)
梶原 景昭 大阪大学, 人間科学部, 助教授 (10116014)
佐伯 啓思 京都大学, 総合人間学部, 教授
中林 伸浩 金沢大学, 教養部, 教授 (30019848)
猪木 武徳 大阪大学, 経済学部, 教授 (00107111)
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Keywords | 異文化共存 / 「異文化共存」政策 / 政策理念 / 言語分布 / 宗教人口 / 民族紛争 / 民族誌的資料 / 国際共同研究 |
Research Abstract |
本年度は各国の首都および地方都市社会において、以下の二つの問題を中心に集中的な実態調査を行った。 a)国家レベルにおける「異文化共存」に関わる政策の理念と実際(国内政策および対外政策) b)「異文化共存」政策と関連する行政組織、民間団体等の組織・集団の実態。 以上の点を中心に、各地で集中的参与調査を行なうとともに、資料・文献調査を遂行した。具体的な調査内容としては、(1)国家の「異文化共存」政策の実態、(2)各都市における「異文化共存」に関わる人口構成、言語分布、宗教人口、教育制度など基礎データの収集、(3)関係者、識者その他のインフォーマントへの集中的インタヴュー、(4)文献・資料調査を行ない、本年度調査の取りまとめと来年度以降の調査準備について討議を重ねた。とくに注目すべきことは問題の性格上、実際に民族抗争の渦中にある社会もあり、研究には困難も予想されたが、各国の研究者・関係機関は逆に熱心な対応と関心、全面的な研究協力を得ることができたことである。そのためもあって総体に調査研究は順調に進展し所期の目的を達成することができた。今年度の成果として(1)研究課題に関し、理論的な比較研究を進展させるに足る民族誌的資料が蓄積された。(2)国家レベルの「政策」と地方都市レベルの「実態」の双方が明らかとなった。(3)この緊急を要する課題について各国の研究者、関係機関から今後の共同研究の打診が寄せられ来年度以降の国際共同研究の基盤が固まった。 今年度の研究成果については、研究分担者が個別に大学紀要等にすでに寄稿しており、近刊予定である。また本研究計画全体の成果刊行についても、現在計画をまとめつつある。
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Research Products
(2 results)