1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05041018
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
関根 孝夫 東海大学, 文学部, 教授 (70119684)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田尾 誠敏 東海大学, 文学部, 助手 (90216599)
金原 保夫 東海大学, 文学部, 助教授 (20161614)
禿 仁志 東海大学, 文学部, 助教授 (10186009)
近藤 英夫 東海大学, 文学部, 教授 (70119676)
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Keywords | ブルガリア / 青銅器時代 / テル遺跡 / 集落 / 埋葬 / カマド / 発掘 / 分布調査 |
Research Abstract |
1994年度のブルガリア共和国デャドヴォ遺跡青銅器時代文化層の発掘調査は8月22日(月)から9月16日(金)までの26日間にわたって実施された。調査面積は前年同様約300m^2である。特記すべき調査事項を記す。 1.前回明らかとされた住居地区の下層の調査を進めたところ、同一地区内に同一の方向・間隙をとりながら複数の住居が床を貼り替えつつ居住を継続していたことが明らかとなった。短期間に住居の修復を繰り返し全体としては同様の居住が継続されるデャドヴォ青銅器時代集落の特徴と考える。 2.住居床面から繊維塊(素材同定中)が検出された。住居床面に敷物が敷かれていたことを示す最初の例である。 3.住居台所地区から検出された炭化穀粒は、穀物刈り取り具、製粉具としての石器(フリント性鎌刃、石皿・磨石)、パン焼きに使われたと考えられる多数のカマド址とともに当時の生業を具体的に物語る資料である。 4.カマド址の調査例も更に増加し、総数100例を越えた。その分析を通し該期集落の構造復元が期待できる。 5.調査区内において今回はじめて乳児埋葬を検出した。このことは未調査である集落外に成人を対象とした共同墓地が営まれていたことを示すものと考えられ、貴重な資料である。 6.ノヴァ・ザゴラ地区内の遺跡分布調査を継続した。ブルガリア・オーストリア共同調査が進められているテル・カラノヴォ及び調査資料の保管されている収蔵庫訪問は特に有益であった。 7.ブルガリア調査団との協議会を開催し、調査データの相互交流に努めた。
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Research Products
(1 results)