Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ROBERT J. パリ第4大学, 地理学研究所, 助教授
PITTE J.R. パリ第4大学, 地理学研究所, 教授
菊地 俊夫 東京都立大学, 理学部, 助教授 (50169827)
村山 祐司 筑波大学, 地球科学系, 講師 (30182140)
手塚 章 筑波大学, 地球科学系, 講師 (60155455)
桜井 明久 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (80116160)
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Research Abstract |
パリ大都市圏の外縁農村地帯について、以下の調査を実施した。 a.拠点調査:エタンプ市(エソンヌ県)周辺地域について、都市化の進展状況とそれに伴う土地利用の変化.住民の生活行動の変化と都市的施設の整備状況.農業経営の地域的特性と近年における変化プロセス.農村地域計画の理念と実際の運用状況. b.パリ大都市圏外縁農村の比較調査:上記のインテンシブな調査に加えて、異なった方位および距離の近郊農村地域を広域的に比較した.さらに,調査地域をフランクフルト大都市圏まで広げ,ドイツ農村との比較を行った. 平成5年度の調査は,計画通り実施することができた.フランスの農業経営は日本のそれと大きく異なること,EC農業共通政策により,現在フランスの農業は激変していることなどがわかった. エタンプ市周辺のインテンシブな農家調査を実施し,農業的土地利用,農場の歴史,経営規模の変化,農業経営の推移,農場の空間的配置,栽培歴,作業歴,生産性,生産量,貯蔵形態,出荷・販売形態,作付け制限,家畜,農業機械,農業共同組織への参加,肥料・農薬の調達方法,農業労働力,農家所得,地域社会との関連など幅広く聞き取り調査を行ったため,パリ大都市圏の外縁農村地帯の農業経営の特色と近年における農業経営の変化を明らかにすることができた.しかし,都市化の進展により,農民がどのような対応を迫られ,あるいは実際にどのような農民階層が離農し,都市的職業に転換していくか,そのプロセスを十分に把握することができなかった.この点の解明は,今後の課題である.
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