1993 Fiscal Year Annual Research Report
西アフリカ大平原の源流小集水域の土壌と農林生態系の再生に関する研究
Project/Area Number |
05041041
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
廣瀬 昌平 日本大学, 農獣医学部, 教授 (00102517)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GREGORY Odig ナイジェリア森林総合研究所, 主任研究員
鹿野 一厚 島根県立女子短期大学, 講師 (10226110)
増田 美砂 筑波大学, 農林学系, 講師 (70192747)
AWOGBADE M.O アーマズベロー大学, 社会経済研究所, 講師
FELIX Nweke ンツカ大学, 農学部, 教授
半澤 和夫 日本大学, 農獣医学部, 助教授 (60147676)
T. Okusami オバクエミアオロ大学, 農学部, 教授
小崎 隆 京都大学, 農学部, 助教授 (00144345)
溝田 智俊 岩手大学, 農学部, 助教授 (10089930)
OWONUBI J.J. アーマズベロー大学, 農学部, 教授
若月 利之 島根大学, 農学部, 助教授 (50127156)
AYODELE Fagu イバダン大学, 農学部, 教授
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Keywords | アフリカ型水田 / 稲作 / 叢林休閑 / 内陸小集水域 / 西アフリカ / 農業再生 / フラニ-族 / 類型区分 |
Research Abstract |
この研究は西アフリカの内陸小集水域で行われている農耕の実態を農林生態的および農法的観点から調査し、西アフリカ農業再生の戦略を策定しようとするものである。ここで、特に問題にするのは内陸小低地である。これは西アフリカに卓越する準平原地形の緩やかに起伏する小渓谷の低地部分にあたる。ここでは、集水域からの表面水と湧水が湿地を形成する。初年度として、中部ナイジェリア、ナイジ-州を中心として集水域の類型区分を行うと同時に、調査地としてBida市の南に位置するGadza村とその周辺村落を選定した。この地域は降水量約1100mm/年のギニアサバンナ帯に位置する。 Gadza村周辺の内陸小低地の農耕形態は、高位面での中・長期耕作-中・長期休閑の叢林休閑方式による畑作農耕であり、雑穀、マメと瓜類の混作栽培が卓越している。次に、内陸小低地のフリンジと低湿部および中流氾濫源では稲作が行われているが、栽培様式は地形による水文、土壌等に応じてそれぞれ異なっている。この地域の稲作は農耕諸要素について、畑作と多くの共通性を有し、稲を湿性雑穀として位置づけることが可能である。なお、Gadza村低地にアジア型水田が作られ、アフリカ型水水田との共通性と異質性の比較が行われた。また、カウンターパートの日本招へい途中東北タイを視察させ、両者の差異を理解せしめた。 この地域の農耕は同地を放牧する牧畜民フラニ-族と密接な関係を有している。その放牧域は農耕地、林地、休閑地であるが、農耕民は牛群による有機物の還元を通して、土地生産性の向上という恩恵を受けている。
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[Publications] Misa MASUDA & Sleiman KUDO: "Trees on Farmland:Sheanut Distributions and Production in the Niger State,Nigeria." Tropics. 2. 169-181 (1993)
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[Publications] 若月利之・望月克哉: "西アフリカの焼畑・ブッシュ休閑農業と環境資源の保全" 国際農林業協力. 14. 14-23 (1992)
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[Publications] 若月利之: "サブサハラの熱帯アフリカの再生と水田農業の可能性" 熱帯農業. 35. 306-314 (1991)
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[Publications] 若月利之: "モンスーン西アフリカの内陸小渓谷湿地における非水田稲作と小区画準水田稲作" 農耕の技術. 13. 31-63 (1990)