1993 Fiscal Year Annual Research Report
超高エネルギーコライダー実験に係わるコンピューターシステムの国際共同開発調査研究
Project/Area Number |
05041067
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Research Institution | National Laboratory for High Energy Physics |
Principal Investigator |
渡瀬 芳行 高エネルギー物理学研究所, データ処理センター, 教授 (70018662)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅井 慎 広島工業大学, 電気工学科, 講師 (40192926)
神前 純一 高エネルギー物理学研究所, 物理研究部, 助手 (60169787)
高岩 義信 高エネルギー物理学研究所, 物理研究部, 助手 (10206708)
能町 正治 高エネルギー物理学研究所, 物理研究部, 助手 (90208299)
一井 信吾 高エネルギー物理学研究所, データ処理センター, 助手 (40203088)
森田 洋平 高エネルギー物理学研究所, データ処理センター, 助手 (00212267)
三浦 靖子 高エネルギー物理学研究所, データ処理センター, 助教授 (40013403)
藤井 啓文 高エネルギー物理学研究所, 物理研究部, 助教授 (60013439)
尼子 勝哉 高エネルギー物理学研究所, 物理研究部, 助教授 (50044772)
近藤 敬比古 高エネルギー物理学研究所, 物理研究部, 教授 (30150006)
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Keywords | 超高エネルギー / 大規模データ格納 / 並列処理 / 高速データ収集 / オブジェクト指向 / シミュレーション / SSC / LHC |
Research Abstract |
1.データ収集/処理 超高エネルギーハドロンコライダーに於ける実験では、多数の検出器からのディジタル化されたデータを収集する所から大規模なデータ格納装置までの一環したデータの流れに添ってシステムの設計構築が不可欠である。特に、このデータ収集系については多数のデータソースからの並列データ転送を事象単位のシリアルデータに編集するイベントビルダー(事象構成器)の開発がフェルミ研究所(米国)、CERN研究所(スイス)でも始められている。KEKとは方式が夫々異なり、今後の情報交換や共同開発の可能性について、調査を行なった。その結果、CERNでの当面の開発作業について、具体的に参加をするためKEKから、助手1名を派遣することになった。KEKでの開発はハードウエアの設計、試作が平成6年夏を目指して行なわれている。 また、UNIXワークステーションによるデータ収集ソフトウエアに関してはSSC実験を目指して開発されたものが実際に応用できる状態になり、米国やCERNでの各種のテスト実験に於ける需要の調査を行なった。 2.オブジェクト指向によるソフトウエア開発 従来の手続き記述型の言語(FORTRAN,Cなど)より、ソフトウエアの開発、維持、変更、再利用などの点で優れているオブジェクト指向言語(C++、Eiffelなど)によるプログラム開発について、共同研究の調査のためCERNに行き、当地のグループと検討した。相互に意見交換をした結果、同じ様な問題意識を持っているので、今後どのような共同研究開発が可能で進められるか検討中である。KEK側の当面の活動はディテクターシミュレーションプログラム(GEANT)のオブジェクト指向による再構成を進める事にした。 3.シミュレーション 具体的な実験計画に添った実験装置の設計に必要なディテクターシミュレーションはハードウエアの設計のみならず計算機システムの設計のためにも重要な設計パラメータを提供するものである。この学術調査のモティベーションの多くは、米国ダラスに建設中であったSSC計画における共同実験を想定していたものであった。しかし、昨年11月同計画は米国議会によって計画中止が決定されてしまった。この大きな事件によって、本学術調査の方向付けの変更を余儀なくされた。SSC計画の中止の後、次世代の超高エネルギーハドロンコライダー計画としてはCERNでのLHC(Large Hadron Collider)計画であるので、同計画の推進に当たっている研究グループと現在接触し、装置設計のためのシミュレーションの分担について調査している。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] O.Sasaki and J.Andersen: "Testing of Re-Lock Time of HP G-link Chip Set" 高エネルギー物理学研究所レポートKEK-93-145. 93-145. (1993)
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[Publications] O.Sasaki,M.Nomachi,et al.: "A VME Barrel Shifter System for Event Reconstruction from Up to 3 Gbps Signal" IEEE Transaction on Nuclear Sciences. NS-40. 603-606 (1993)
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[Publications] Y.Takeuchi,T.Tanimori,and Y.Yasu: "Development of Data Acquisition System using RISC/UNIX Workstation" Nuclear Instruments and Methods. A-328. 526-534 (1993)
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[Publications] Y.Yasu and Y.Tajima: "DAQ Performance of Real-time UNIX on New HP VME Board" 高エネルギー物理学研究所レポート(Internal). 93-11. (1993)
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[Publications] 安芳次、竹内康雄: "UNIXワークステーションによるリアルタイムデータ収集システムの開発" 日本物理学会誌. 48. 886-893 (1993)
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[Publications] 渡瀬芳行、藤井啓文: "高エネルギー物理実験とコンピューター" 日本物理学会誌. 49. 83-91 (1994)
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[Publications] Y.Takaiwa,K.Amako,J.Kanzaki: "Towards Object-Oriented GEANT:Prodi Gproject" International Conf.on Monte Carlo Simulation for HEP(MC93) Florida State Uniiv.Feb.1993. 329-338 (1994)
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[Publications] A.Fry and M.Nomachi: "UNIDAQ A Portable Data Acquisition System for SSC Detector R&D" International Conf.on Real-Time Computer Application(REAL-TIME93),Vancouver May,1993. 326-328 (1993)