1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05041071
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
桜井 隆 国立天文台, 太陽物理学研究系, 教授 (40114491)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 一成 国立天文台, 乗鞍コロナ観測所, 助手 (60226032)
熊谷 收可 国立天文台, 乗鞍コロナ観測所, 助手 (50161691)
一本 潔 国立天文台, 太陽物理学研究系, 助手 (70193456)
末松 芳法 国立天文台, 太陽物理学研究系, 助教授 (50171111)
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Keywords | 皆既日食 / 太陽 / コロナ / 太陽風 / 南米 / チリ |
Research Abstract |
本年度は日食観測を実施する観測地点の調査を行った。観測地には日食当日に於て高い晴天率が望めること、観測機材を設置することができ観測者が3週間にわたって滞在できること、約1.5トンに及ぶ機材を問題なく搬入できること、が要求される。今回の皆既日食は南米のペル-、チリ、ボリビア、パラグアイ、ブラジル国と、天候面でも地理的、風土的にも多様な国々を通るためこの中から最適地を決定するためには多くの情報を集める必要がる。我々は国内に於ける事前調査によって数カ所の地点、すなわち、チリ国北端に位置するプトレ町を中心とする山岳地帯、ボリビア国高原に位置するリオムラトス町とウアチャカヤ町、及びパラグアイ国西部のチャコ地方と東部のイグアス地方の計5地点、を候補地と決め、昨年10月末から11月前半にかけて現地調査を行った。これらの調査の結果、パラグアイ国の候補地では11月の晴天率が50-60%と他の二国に比べて低いこと、又ボリビア国の候補地に関しては道路事情が悪く、機材の輸送に困難が予想されることがわかった。以上の調査結果を踏まえ、最終的な日食観測地を以下に紹介するチリ国のプトレ町とすることに決定した。 プトレ町は、海抜3500mにある人口約500人の町で、小さな宿泊施設がある。チリ最北端の港町であり、かつ飛行場を有するアリカ市からは舗装道を車で約3時間半のところに位置し、機材の搬入に関して好都合である。11月の晴天確率は調査を行った地点の中で最もよく、80-90%が期待される現在、我々の他にも、アメリカ、インド、韓国の研究グループがプトレ町で観測を行うことを決定しており、機材の設営に際してはこれらの国々と協力して行う予定である。チリ国では特に専門的な観測計画はないと聞いているが、今回の日食観測を通じて若手研究者との交流を図る予定である。
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