1993 Fiscal Year Annual Research Report
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05041097
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
荻野 和彦 愛媛大学, 農学部, 教授 (90026394)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SANGA Sabhas タイ国研究会議, 議長
CHAN Hung Tu マレーシア森林研究所, 生態学研究部, 部長
SOMSAK Sukwo タイ国社会林業研修センター, 所長
PHAN Nguyen ベトナムハノイ師範大学, 教授
宮城 豊彦 東北学院大学, 文学部, 教授 (00137580)
小見山 章 岐阜大学, 農学部, 助教授 (60135184)
廣谷 博史 愛媛大学, 農学部, 助手 (70218858)
日鷹 一雅 愛媛大学, 農学部, 助手 (00222240)
遅沢 克也 愛媛大学, 農学部, 助手 (30233539)
二宮 生夫 愛媛大学, 農学部, 助教授 (80172732)
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Keywords | 社会生態系 / 社会林業 / 持続的農業 / 集約的農業 / 樹冠投影図 / 生物資源 / 熱帯保護 / 生物多様性 |
Research Abstract |
東南アジアの生態系は人手が入らない自然生態系とは異なり、人々の生業のための管理を伴う「社会生態系」として存在してきていることの重要さをタイ・ベトナムの共同研究者との間で国際シンポジウムの開催・招へいによって再確認できた。例えば近代化以前わが国でも「人里」「里山」「深山」という生活空間概念が人々に根着き、持続的な生物資源利用を行っていたことが近年注目されているが、タイにも同様の生活空間概念があり、今でも巧みな生物資源利用技術が少なからず存在している。それらは社会林業と呼ばれ熱帯林生態系の回復の現実的な方法として期待されている。そこで初年度はすでの社会林業として既に成功していると思われる事例と、熱帯林保護区周辺の移住村で現在試みられている事例について調査地を選定し調査に着手し以下の事がわかった。 1.「Wibul農樹園の農業生態学からみた評価」 この農樹園は10年前まではキャッサバなどの換金作物の集約農業を行っていたが、その後破産し残った2.5haの土地をわずかな年数で多種多様な薬草・薬樹からなる森に育成し、タイ国内でも注目されている。既にFAO(1989)は413種からなる植物種リストを作成しているが、それを参考に10m×10mの樹冠投影図を1.44haまで作成し、この人間が造りだした生態系が自然林に比べて多様性や資源量の面でどのような性質の生態系なのかを解明するデータベースを得つつあり、来年度は全農園分を完成させ論文にする。 2.「TAH TAKIAP野生保護区と周辺移住村における現地調査」 保護区が3年前に設定され保護区内の農民は周辺の村々に移住したが、換金作物の集約栽培では生態学的な退行が生じており、持続的農業が求められている。 一部の村では社会林業の試みが始めており、特に森林の先住民の農業技術には定住型農業の知恵が活かされており、さらに深く追求し、1の成果も踏まえながら持続的な農業生態系像を明らかにする。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Somsak Sukwong: "People's way of living in tropical forest-A possible sustainable management of tropical forest" Proceedings of International Symposium on Tropical Rain Forests in a Global Greenhouse,Matsuyama 20〜22 January 1994. (1994)
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[Publications] Kazuhiko Ogino: "Tropical Forects in a Global Greenhouse-Recent Japanese Research in the Tropics" Proceedings of UNU Global Environmental Forum III on"Will Tropical Forests Change in a Global Greenhouse?". (1994)
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[Publications] 日鷹 一雅: "徳島県東祖谷山村における自給的焼畑農法 I.技術体系の概要" 徳島県立博物館報告. 第3号. 1-24 (1993)
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[Publications] 梶村 達夫: "イネの有機栽培がウンガヨコバイ類の個体群密度に及ぼす影響 I.密度および増殖率" 日本応用動物昆虫学会誌. 37(3). 137-144 (1993)
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[Publications] 山本 哲也: "スギの天然生林と人工林における林床無脊椎動物相の比較" Edaphologia. 51. 19-32 (1994)
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[Publications] Kazumasa Hidaka: "Farming Systems for Rice Cultivation which promote the regulation of pest populations by Natural Enemies:Plant hopper Management in Traditional,Intensive Farming and LISA Rice cultivation in Japan." FFTC Bulltain. 374(in press). (1994)