1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05044007
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
柴谷 方良 神戸大学, 文学部, 教授 (60127371)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
E.MASLAVA Inst of Linguistic Research, Researcher
V.NEDJALKOV Inst of Linguistic Research, Senior Res
I.NEDJALKOV Inst of Linguistic Research, Researcher
Y.TESTLEC Inst of Linguistics, Researcher
T.YANKO Inst of Linguistics, Researcher
L.KULIKOV Inst of Oriental Studies, Junior Res
I.MURAVYOVA Inst of Oriental Studies, Researcher
V.PODLESSKAY Inst of Oriental Studies, Researcher
V.ALPATOV Inst of Oriental Studies, Chief Rese
角田 太作 筑波大学, 文芸言語学系, 教授 (60126878)
崎山 理 民族学博物館, 第5研究班, 教授 (10030131)
宮岡 伯人 北海道大学, 文学部, 教授 (60002979)
土田 滋 東京大学, 文学部, 教授 (90014505)
松本 克己 静岡県立大学, 国際関係学部, 教授 (00019308)
小泉 保 関西外国語大学, 外国語学部, 教授 (40046181)
金水 敏 神戸大学, 文学部, 助教授 (70153260)
西光 義弘 神戸大学, 文学部, 助教授 (10031361)
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Keywords | 類型論 / 品詞 / 格 / ポリセミ- / プロトタイプ |
Research Abstract |
本年度の研究テーマである、(1)文法カテゴリー(品詞)および(2)格形式の分布と機能について、ワークショップならびにシンポジウム形式での共同研究をすすめた結果、(1)については、言語間におけるカテゴリーには安定したものと変動のあるものとが区別され、それぞれのカテゴリーの中心的機能を見極めることによって、文法カテゴリーの区別および区分が予想されることが判明した。これは、意味および統語的振舞いを中心に進められてきた従来の品詞論に対して、普遍的観点からの研究では各品詞が担う文法機能も考慮に入れなければならないという示唆を含み、理論的に重要な意味を持つ結論であり、機能文法の発展に直接的な寄与が見込まれるものである。 (2)については、格形式の融合について認知的観点からの接近が有効であることが判明した。とくに、格形式が表す種々の機能を全般的に亙って共通の意義素を求める従来の研究から、プロトタイプ的用法を見極め、それがどのような認知プロセスによって異なった用法に広がっていくのかという、ポリセミ-の概念を活用する分析が有効であるとの知見が得られた。 以上の研究成果は、多数の言語を研究対象にする類型論研究に従事する、日本側共同研究者の資料はもとより、旧ソ連邦地域からの広範な言語資料の提供を惜しまなかった、ロシア側研究者の協力が得られてのものであって、本共同研究の趣旨が如実に反映されたものであると言える。
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Research Products
(18 results)
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[Publications] Shibatani,Masayoshi: "Honorifics" The Encyclopedia of Language and Linguistics. 1600-1608 (1994)
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[Publications] Shibatani,Masayoshi: "Benefactive constructions" Japanese/Korean Linguistics. 4(印刷中).
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[Publications] 小泉保: "ウラル語における格の用語と機能" 関西外国語大学研究論集. 59. 1-18 (1994)
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[Publications] 西光義弘: "依頼表現の日英語対照" 英語青年. 30. 29-32 (1993)
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[Publications] 金水敏: "古事記のテンス・アスペクト" 国文学解釈と鑑賞. 58. 28-33 (1993)
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[Publications] 松本克己: "語順のデータベース" 日本語学. 13. 99-106 (1994)
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[Publications] 土田滋: "アミ語" 世界のことば. 26-29 (1993)
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[Publications] 宮岡伯人: "エスキモー語の使役接尾について" 動詞の自他対応をめぐる日本語とエスキモー語の対照研究. 21-48 (1994)
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[Publications] 崎山理: "インドネシア語とインドネシア諸言語における文末詞" 言語類型論と文末詞. 135-148 (1993)
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[Publications] 角田太作: "Typological study of word order" 文芸言語研究. 26. 135-148 (1993)
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[Publications] Kulikov,L.I.: "The‘second causative':a typological sketch" Causatives and transitivity. 121-154 (1993)
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[Publications] Podlesskaya,V.: "Causatives and causality:towards a semantic typology of causal relations" Causatives and transitivity. 165-176 (1993)
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[Publications] Maslava,E.: "The causative in Yukaghir" Causatives and transitivity. 271-286 (1993)
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[Publications] Kulikov,L.I. Sumbatova,N.R.: "Through the looking glass,and how causatives look there" Causatives and transitivity. 327-342 (1993)
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[Publications] Shibatani,Masayoshi,Bynon,Theodora: "Approaches to Language Typology" Oxford University Press,
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[Publications] Shibatani,Masayoshi,Thompson,Sandra,I.: "Grammatical constructions:Their form and meaning" Oxford University Press,
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[Publications] 小泉保: "ラップ語入門" 大学書林, 207 (1993)
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[Publications] 小泉保: "日本語教師のための言語学入門" 大修館書店, 384 (1993)