1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05044013
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Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
立川 武蔵 国立民族学博物館, 第2研究部, 教授 (00022369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
つー 俊傑 中国蔵学研究中心, 研究員
BAHULKAR S. ディラク, マハーラーシュトラ大学・サンスクリット学科, 学科長
森 雅秀 高野山大学密教文化研究所, 講師 (90230078)
小野田 俊蔵 仏教大学, 文学部, 助教授 (20131302)
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Keywords | マンダラ / タントラ / 儀礼 / 仏 / 菩薩 / 明王 / ヨーガg |
Research Abstract |
(1)マンダラの理論集成『完成させるヨーガgの環』に関する研究。 今年度は、第1章「文殊金剛」、第11章「金剛フーンカーラ」の翻訳・テキスト校訂を行い、昨年度翻訳した第19章「金剛界」の草稿に加筆した。 第1章は、『高野山大学密教文化研究所紀要』7号(森)に、第19章は、『密教図像』13号に発表した。『完成せるヨ-ガの環』のサンスクリット写本6本のコピーをあらたに収集した。 現在知られているサンスクリット写本のほとんどを収集することができた。なお、『完成せるヨ-ガの環』の尊名リストの改訂を行い、近い将来出版できる状態となた。(森) (2)マンダラの基礎的理論である「空の理想」から諸哲学学派を批判した清弁著『中観心論』のサンスクリット写本のV.ゴ-カレ-教授のノートのリプリントを出版した。 このノートは、この十数年来多くの研究者の総合的研究の基礎テキストとなってきたものであった。(バフカル担当。) (3)カトマンドゥ盆地のマンダラに関する研究 『マンダラの神々』(仮題)に収録する予定の図像資料訳400点を選び終わった。 2年後に「ありな書房」から出版を予定している。(立川) カトマンドゥ盆地にみられる法界マンダラの作例を調査し、カトマンドゥの法界マンダラがチベットのそれと異なることを発見した。(森) (4)北京居庸関のマンダラ撮影を行い、図像学的資料を得た。(立川) (5)マンダラの今日的意義に関する研究 生命体を含む自然の総体がマンダラであるという観点にたって、マンダラの今日的意義を探った。 その成果の一部は、シンポジウム「マンダラと自己」(平成6年11月)で発表した。 なお、このシンポジウムにS.バフルカル氏の参加を得たので、彼の来日期間中に、本共同研究の研究集会も開くことができた。
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