1994 Fiscal Year Annual Research Report
日本とチュニジアにおける翼状片とベーチェット病の比較研究
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05044179
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
雨宮 次生 長崎大学, 医学部, 教授 (60026862)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BEN Jilani S Charles Nicolle Hospital, 教授
OUERTANI Ame Charles Nicolle Hospital, 教授
嵩 義則 長崎大学, 医学部, 講師 (30244049)
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Keywords | 翼状片 / ベーチェット病 / 臨床像 / 電子顕微鏡 / 免疫組織化学 / 成長因子 / 病理学 |
Research Abstract |
本年度はOuertani教授が平成6年9月1日-9月14日まで日本に滞在し、長崎大学医学部附属病院において翼状片患者とベーチェット病患者を診察した。Ouertani教授の調査結果は、日本の翼状片は、チュニジアのそれに比べ血管侵入が少なく、厚さも薄く、充血も少なく、角膜中心部にまで侵入する例は少ない。また、球結膜出血を伴う症例はほとんどみられなかった。長崎地方も翼状片は多いが、チュニジアのような地中海地方に比べて、重症例は少ない。翼状片組織について、免疫組織化学的研究、電子顕微鏡的研究が進行中である。翼状片には血小板由来増殖因子、腫化増殖因子、塩基性線維芽細胞増殖因子、酸性線維芽細胞増殖因子がいずれも存在するが、これらの免疫組織化学的反応は、いずれも正常結膜より強い。この結果について目下検討中であるが、香港で開催された第15回アジア太平洋眼科学会議(平成7年3月6日-10日)において口演した。これらの両国の臨床調査結果を、平成7年5月26日-28日に開催される第65回九州眼科学会で報告する。 ベーチェット病については、チュニジア人患者に比べ、網膜血管病変が軽度であった。また、最終的に失明する患者が日本ではチュニジアより少ない。これらの原因についての討論と今後の調査方針が検討された。ベーチェット病についても平成7年5月26-28日に開催される第65回九州眼科学会で報告する。 滞在中、長崎大学医学部において、「北アフリカにおける失明原因」、長崎眼科集談会において「北アフリカにおけるベーチェット病の眼臨床像」と題して講演した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Kria Lidia.,大平明弘,宮華青,雨宮次生: "翼状片における血管増殖因子の免疫組織化学的研究" 日本眼科学会雑誌. 98. 168 (1994)
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[Publications] Kria,L.,Ohira,A.and Amemiya,T.: "Immunohistochemical localization of basic fibroblastic growth factor,platelete derived growth factor and transforming growth factor beta in pterygium." Proceeding of the 15th congress of the Asia-Pacific Academy of Ophthalmology,6-10 March,1995,Hong Kong.(出版予定).
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[Publications] 大平明弘,Lidia Kria,Amel Meddeb Ouertani,雨宮次生: "日本とチュニジアにおけるベーチェット病の臨床像" 日本眼科紀要. (出版予定).
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[Publications] 嵩義則,Lidia Kria,Amel Meddeb Ouertani,雨宮次生: "日本とチュニジアにおける翼状片の臨床像" 日本眼科紀要. (出版予定).