1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05045038
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
中村 怜之輔 岡山大学, 農学部, 教授 (70021053)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
崔 成東 東北農業大学, 食品科学系, 教授
黄 剣 東北師範大学, 生物系, 講師
〓 武林 東北師範大学, 生物系, 教授
久保 康隆 岡山大学, 大学院自然科学研究科, 助手 (80167387)
稲葉 昭次 岡山大学, 農学部, 教授 (90046491)
|
Keywords | ナシ / チュウゴクナシ / 果実成熟 / エチレン生成 / 果実低温障害 / 青果物流通 |
Research Abstract |
1.日本産チュウゴクナシ果実の成熟特性 日本産チュウゴクナシ13品種について,エチレン生成の面から基本的成熟特性を比較検討した。さらに,中国側で研究対象としたチュウゴクナシ品種のうち吉林省産2品種及び黒竜江省産4品種を日本に持ち帰り(輸入特別許可農林水産省指令5神植第1288号),供試材料に加えた。その結果,チュウゴクナシは傷害型エチレン生成はすべての品種でみられるが,成熟型エチレン生成は品種によって認められるものと,認められないものがあることが明らかになった。さらに,エチレン生成系について比較検討した所,成熟型エチレン生成が認められない品種は,ACC合成酵素が制限要因になっていることが推察された。この点,今後はACC合成酵素をコードする遺伝子レベルで解析するため,目下鋭意取り組み中である。 2.中国吉林省産チュウゴクナシ果実の成熟特性 吉林省の主要品種である苹果梨及びその他香水梨,大梨,苹博梨の4品種について,樹上及び採取後の呼吸活性,エチレン生成量,糖及び酸含量の変化を経時的に調査し,基本的成熟特性について考察した。その結果,苹果梨のエチレン生成量は他品種に比べて少ないことが明らかになり,このことが苹果梨が貯蔵性が良好であることの主要因であると考えられた。今後は追熟特性や低温耐性について調査し,成熟特性を総合的に考察する方向で取り組み中である。 3.中国黒竜江省産チュウゴクナシの成熟特性 黒竜江省産北方系チュウゴクナシ伏香梨,秋香梨,竜香梨,晩香梨の4品種について,主として樹上成熟中の呼吸活性,エチレン生成量,糖及び酸含量の変化を経時的に調査した。採取後については目下分析を続行中である。今後は追熟特性や低温耐性について調査を進める予定で準備中である。
|
-
[Publications] 中村 怜之輔: "チュウゴクナシ果実及びカルスにおけるエチレン生成と低温感受性の品種間差異" 園芸学会雑誌. 62(別1). 456-457 (1993)
-
[Publications] 中村 怜之輔: "チュウゴクナシ果実のエチレン生成系の品種間差異" 園芸学会雑誌. 63(別1). (1994)
-
[Publications] 〓 武林: "苹果梨果実の成熟特性に関する研究" 中国東北師範大学修士研究論文集. (1993)