1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05236106
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
山本 明夫 早稲田大学, 理工学研究科, 教授 (30016711)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野崎 京子 京都大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60222197)
田丸 良直 長崎大学, 工学部, 教授 (80026319)
薗頭 健吉 福井工業大学, 応用理化学科, 教授 (30029847)
小宮 三四郎 東京農工大学, 工学部, 教授 (00111667)
伊藤 嘉彦 京都大学, 工学部, 教授 (40026018)
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Keywords | 有機金属化合物 / 触媒作用 / 不斉合成 / パラジウム / ルテニウム / 白金 / 一酸化炭素 / カルボニル化 |
Research Abstract |
本研究では、各種の触媒的有機合成反応において触媒活性種として作用していると考えられる有機遷移金属錯体を合成し、その化学的性質を明らかにするとともに、基本的研究において得られた成果を基に新規触媒反応を開発することを目的として研究をおこなった。山本は、有機パラジウム錯体の特質を利用してアリルアルコールのC-O結合を選択的に切断し、アリルアミン、ブテン酸等を触媒的に合成する新反応を開発し、また、酸無水物の選択的C-O結合切断反応を利用して、酸無水物からアルデヒドを触媒的に合成する方法を開発した。またホスホニウム塩のC-P結合切断反応を利用する新規なオレフィンのアリール化を開発した。伊藤は、軸不斉光学活性ヨウ化ビナフチルを用いて安定な螺旋状の光学活性キノキサリンの合成に成功した。小宮は反応性ルテニウム錯体を合成し、ジアステレオ選択的マイケル反応を起こさせることに成功したほか、ルテニウム(0)錯体に対するアリルエステル類の酸化的付加反応を見出した。薗頭は、フェロセニル基を配位子とする新規白金錯体を合成し、フェロセニル基-白金間の炭素-白金結合への一酸化炭素、イソシアニド等の挿入反応を見出した。また、フェロセニル基に結合したアルキニル基を利用し、一酸化炭素を利用する新規なカルボニル化反応を開発した。高谷及び野崎は新規キラル配位子BIN APHOSを有するパラジウム錯体を用いる一酸化炭素とプロピレンの共重合反応、及びロジウム錯体を用いるジエン類のヒドロフォルミル化反応を高い不斉収率で達成した。田丸はアレニルパラジウム中間体を経由する極性変換反応を利用して、ジエチル亜鉛を用い、アルデヒドとプロパルギルエルテル類から、有用なアルコール類を合成する方法を開発した。また、アレニルエステルの新規環化的アリルアミノ化反応を見出した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] A.Yamamoto: "Activation of C-O and C-N Bonds in Allylic Alcohols and Amines by Palladium Complexes Promoted by CO_2. Synthetic Applications to Allylation of Nucleophiles, Carbonylation, and Allylamine Disproportionation." Bull. Chem. Soc. Jpn.(in press). (1996)
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[Publications] Y. Ito: "New Synthesis of Quinoxaline Derivatives Based on Palladium Catalyzed Oligomerization of 1,2-Diisocyanoarenes." Heterocycles,. 42. 597-615 (1996)
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[Publications] K. Sonogashira: "Reaction of 1,1'-Ferrocenediylbis [chloro{(1,2,5,6-η)-1,5-cyclooctadiene} -platinum] with Triarylphosphine and Molecular Oxygen." Angew. Chem. Int. Ed. Engl.34. 319-321 (1995)
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[Publications] S. Komiya: "Synthesis and Reactivity of Organoplatinum-rhenium Heterobimetallic Complexes Having Sulfur Ligand." J. Mol. Catal.(in press). (1996)
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[Publications] K. Nozaki: "Asymmetric Hydroformylation of Conjugated Dienes Catalyzed by [(R)-2-diphenylphosphino-1, 1'-din aphthalen-2'-yl] [(S)-1, 1'-dinaphthalen-2, 2'-diyl] phosphite-rhodium (I)." Chem. Commun.155-156 (1996)
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[Publications] Y. Tamaru: "π-アリルパラジウムとの反応における有機亜鉛の特異な反応挙動:カルボニル化による非対称ケトンの合成とπ-アリルパラジウムの極性転換反応" 有機合成化学協会誌. 53. 1102-1113 (1995)