1995 Fiscal Year Annual Research Report
健康障害のリスクファクターとしての「行動様式」の研究
Project/Area Number |
05301015
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Research Institution | WASEDA University |
Principal Investigator |
上里 一郎 早稲田大学, 人間科学部, 教授 (50034559)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 良二 広島大学, 総合科学部, 助教授 (10122722)
根建 金男 早稲田大学, 人間科学部, 助教授 (20156160)
末松 弘行 東京大学, 医学部, 教授 (10038739)
佐藤 豪 札幌医科大学, 医学部, 助手 (90150557)
杉山 善朗 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50045332)
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Keywords | リスクファクター / セルフコントロール / 認知行動療法 / 行動様式 / 心理社会的要因 |
Research Abstract |
各グループの分担する課題を実施するとともに,総括する作業をおこなった。 1.中枢神経機能による心身症の行動特徴の検討(札幌グループ) 心身症(摂食障害症者を中心に)を対象に,ドーパミン作動系の機能による行動特徴を測定する尺度を開発した。これをもとに,ResponderとNonresponderとに分類して,その2群の特徴を明らかにした。それによると,心身症者は,中枢機能が大変敏感なものと反応が遅いものとにわけられるということで"気づき"の問題と関連する大変興味深い結果である。 2.行動様式の測定尺度の信頼性・妥当性の検討(東京・広島グループ) 「タイプA行動」を測定する尺度(CTS-30項目,6件法)を作成した。因子分析の結果,「敵意行動」,「完璧主義」,「日本的ワ-カホリック」の3因子から成ることが確認された。また,CHD群と健常群との比較検討をおこなったところ,かなりの臨床的妥当性があることが実証された。 3.「行動介入」の効果の検討(東京グループ) 「冠状動脈性心疾患」を対象に,合理情動療法(RET)を実施したところ,完璧主義などタイプA行動の低減が認られた。また,「不合理な信念」なども減少した。さらに,追跡調査が必要であるが興味深い結果が得られた。 4.報告書の刊行 これまでの研究の成果(論文・学会発表したもの)を纏めて報告書を刊行した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 上里一郎他: "疾患とパーソナリティとの関連性,発病予防のための認知行動療法の研究" 喫煙科学研究財団研究年報(1995). 885-887 (1995)
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[Publications] 嶋田洋徳他: "学校ストレスモデル構築の試み" ヒューマン・サイエンス・リサーチ. 4. 53-68 (1995)
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[Publications] 根建金男他: "認知行動療法は効くか-メタアナリシスと個人差の視点から-" カウンセリング研究. 28. 87-103 (1995)
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[Publications] 上里一郎: "わが国における行動医学の現状と課題" 心身医学. 36. 21-26 (1996)
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[Publications] 山本麻子他: "Life style Indexの日本語短縮版の作成と標準化の試み" 精神医学. (印刷中). (1996)
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[Publications] 上里一郎他: "「大震災における救急災害医療」" へるす出版, 322 (1996)