1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05301019
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
飯島 伸子 東京都立大学, 人文学部, 教授 (20010019)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平岡 義和 奈良大学, 社会学部, 助教授 (40181143)
寺田 良一 都留文科大学, 文学部, 教授 (00163923)
鵜飼 照喜 信州大学, 教育学部, 教授 (80045161)
船橋 晴俊 法政大学, 社会学部, 教授 (30130751)
吉沢 四郎 中央大学, 商学部, 教授 (90055088)
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Keywords | アジア地域の環境問題 / 環境社会学的研究 / 日本とアジアの比較研究 / 環境問題連鎖現象 / 韓国 / タイ国 / 中国 / ラオス国 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度に引き続き、<アジア地域の環境社会学的研究>という課題のもとに次のような研究を行った。まず、アジアの国々から韓国とタイ国を選び、これらの国々の環境問題に関し、収集した文献や資料の解読と検討を行う研究組織内部での研究会を開催した。また、これら2国を含むアジアの数カ国(韓国、中国、タイ国、ラオス国)の社会や文化、環境問題に詳しい研究者を招いて話題提供をしていただき、質疑や討議を行う拡大研究会も開催した。さらに、こうしたアジアの国々の環境問題と比較研究するために、各自の問題意識に沿って、日本国内の数カ所で個別に調査を行った。調査地域は、沖縄県と青森県(両地区とも巨大開発と地域社会破壊の事例。特くに青森県は核燃料施設の集中建設をめぐる地域破壊)、熊本県と新潟県(両地域とも水俣病問題)、栃木県足尾町(歴史的な公害地であると同時に公害跡地利用の問題の発生)などである。研究成果としては4論文の発表および調査結果の中間的まとめとしての中間報告書の作成とがある。 環境問題をめぐる日本の他のアジアの国々との関係に関して現在までに明らかになったことを一つだけ示しておく。食物連鎖ならぬ<環境問題連鎖>が国家間で発生している現象についてである。日本国内における公害規制の強化とアジア諸国への工場進出と公害問題の発生とが密接な関係にある点は、従来も指摘されていたことであるが、その後の事態として、たとえば韓国のように、工業生産力において日本に匹敵するまで至ると、今度はそれまでの日本と自国の関係を、自国と他の開発途上国(たとえば中国)との関係に置き換える傾向が出てきている点である。<弱肉強食>の環境問題版とも言える現象であり、今後、拡大することが懸念される。
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[Publications] 飯島伸子: "環境社会学-その誕生の過程と課題について" 学士会会報. 806. 43-47 (1995)
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[Publications] 船橋晴俊: "熊本水俣病の発生拡大過程と行政組織の意思決定(1)" 法政大学社会労働研究. 41-4. (1995)
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[Publications] 寺田良一: "Changing Characteristics of Japan's Environmental Movement" Environwent & Development,Korea Sociology. 図書内の1章. (1995)
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[Publications] 平岡義和: "アジアの環境問題と運動の国際連携-資源動員論から" 国民生活. 34-3. (1995)
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[Publications] 飯島伸子編: "アジア地域の環境社会学的研究中間報告書" 非売品, 80 (1995)