1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05301021
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Research Institution | Komazawa University |
Principal Investigator |
坪井 健 駒澤大学, 文学部, 助教授 (00119108)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大熊 道明 山村女子短期大学, 講師 (40104898)
根橋 正一 流通経済大学, 社会学部, 助教授 (50164661)
北川 慶子 中京短期大学, 助教授 (00128977)
鐘 清漢 川村学園女子大学, 教育学部, 教授 (30070519)
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Keywords | 留学交流 / 青年文化 / アジア文化 / 学生意識 / 国際比較 / 国際交流 / 生活意識 |
Research Abstract |
本研究は、在日アジア人留学生と日本人学生の留学交流の実態と交流阻害要因を留学生文化と日本人学生文化及びアジア学生文化の文化的枠組で明らかにしようとするものである。そうした目的を達成するために、本年度は在日留学生調査及び日本人学生調査を首都圏の私立4大学で実施し、アジア学生の比較調査のための研究枠組を設定した。留学生及び日本学生調査からいくつかの新しい知見がもたらされた。第一に、在日アジア人留学生の75%は、留学以前に在日同国人の対人ネットワークを持っていること(75.1%)、日本人学生との交流は大学進学後であるが、95%が通う日本での日本語学校時代に親密な友人関係を形成していること。従って日本人学生との交流は在日生活の対人ネットワークの中心にはなく周辺であるという点である。第2に、大学生活での友人形成のチャンスであるサークル加入が留学生団体に集中し(44.6%)、一般のサークル(16.3%)に加入していない点も留学交流阻害要因として重要である。第3に特筆すべき知見は、留学生の家族文化的背景である。例えば、父の学歴を見ると、大卒以上が38.9%あり、日本人学生の親(40.2%)と比較して大差ない。しかし、相対的に学歴水準が低い中国の場合には、大卒の割合は50%を越えており、超学歴エリート層の子第が在日留学生の中核を占めているという、留学生の家族文化的背景が彼らの留学文化を支えている。留学生の64.0%は自分の家族や親族の誰かが海外生活者であり、海外雄飛の指向が強い家族の出身者であることも明らかになった。
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