1994 Fiscal Year Annual Research Report
アメリカ多元文化社会における国民統合と教育に関する史的研究
Project/Area Number |
05301033
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Research Institution | J. F. Oberlin University |
Principal Investigator |
中村 雅子 桜美林大学, 国際学部, 助教授 (10227879)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮澤 康人 放送大学, 教養学部, 教授 (90012559)
田中 喜美 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (00115247)
坂本 辰朗 創価大学, 教育学部, 助教授 (60153912)
大桃 敏行 東北大学, 教育学部, 助教授 (10201386)
米澤 正雄 秋田大学, 教育学部, 助教授 (20175003)
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Keywords | 国民統合と教育 / アメリカ多元文化社会の教育 / 多文化主義 / マルチカルキュラリズム / 多文化教育 / ジェンダーと教育 / エスニシティーと教育 / 人種と教育 |
Research Abstract |
初年度の成果をふまえ,2年目にあたる平成6年度は,エスニシティー,ジェンダー,宗教などの諸集団について現在の多文化主義をめぐる論争点-差別を内包した統合,文化とアイデンティティーなど-の歴史的生成過程の解明にとりくんだが,各集団の経験の比較や,社会史,思想史,教育実践史における仮説的時代区分論の検証は,今後の課題として残されている.全体研究会を2回開催し,以下の報告をうけ,検討した. (1)教育思想グループ: (1)現代アメリカ政治思想におけるリベラリズム批判-公教育論への影響に注目して (2)自己の承認の論理-アメリカ多文化主義の一問題領域 (2)教育行政グループ: (3)アメリカの独立期における国民統合と教育-S.アダムズを中心として (3)高等教育グループ: (4)アメリカ多元文化社会におけるジェンダーの問題の歴史的位相-女性の大学と女性文化の視点から (4)教育実践グループ: (5)ニューヨーク州の社会科カリキュラム改訂をめぐる多文化主義論争 (6)アメリカ合衆国における多文化教育の実践とその効果 また,1994年8月の教育学会では,高等教育グループが主体となって,「アメリカ型大学の理念を問いなおす-アメリカ高等教育史研究の視点から」というテーマで,リベラル・アーツ,ドイツ型大学との比較,コミュニティ・カレッジという視角から「アメリカ型大学」像を析出するという,意欲的なラウンド・テーブルを企画し,アメリカ教育史の領域に限られない多くの参加者を得て,論義をすることができた.日本での大学改革論議が注目される折り,時宜にかなった企画だったと言えよう. 現在のマルチカリキュラムと教育実践を分析しつつ,国民統合と教育の史的研究を,個別論文として,また総括論文として,来年度には共同研究成果報告書を作成する予定なので,個々の分担者の今年度の論文は記載しない.
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