1993 Fiscal Year Annual Research Report
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05301051
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Research Institution | National Research Institute for Cultural Properties, Tokyo |
Principal Investigator |
平尾 良光 東京国立文化財研究所, 保存科学部, 室長 (40082812)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 俊秀 京都芸術短期大学, 文化財科学研究所, 助教授 (30132822)
大中 逸雄 大阪大学, 工学部, 教授 (00029092)
戸津 圭之介 東京芸術大学, 美術学部, 教授 (60155538)
森田 稔 神戸市立博物館, 学芸課, 学芸員
井上 洋一 東京国立博物館, 考古課, 主任研究官 (60176451)
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Keywords | 鋳造技術 / 青銅製品 / 鋳型 |
Research Abstract |
古代東アジアにおける青銅製品鋳造技術に関して、まず日本の弥生時代に焦点を集め、今までの文献を収集した。約200についてデータベース化した。また弥生時代の青銅製品の調査を行ない、今までの鋳造技法の問題点、理解の至らなかった点などについて実際の資料を前にして、討論を行なった。調査は大阪の東奈良遺跡出土品、神戸市立博物館、福岡県の春日市資料館等である。考古学、理学、工学、鋳造技術の専門家が集まり、鋳造方法を解明することは初めての試みであると推定される。この討論の結果、幾つかの問題点が指摘された。 1)過去における鋳造方法の理解に幾つか疑問点が提出された。その解明のために国宝である桜丘の2号銅鐸のX線透過写真撮影を行なった。これにより、鋳造過程が科学的な見地から再度考察、討論が行なわれた。 2)現代に於いて古代の鋳造技法の再現が可能であると推論され、その幾つかの可能性を試みることとなった。特に鋳型材料が重要であると指摘され、石型、砂型を用意することとなった。また、現代の方法として、金属鋳型も比較のために用意することが望ましいと判断された。 3)鋳造製品の厚さに関しても重要性が理解され、それに匹敵する材料の獲得、化学組成の解明を行ない、次年度にかけて鋳造を行なう準備を整えた。 4)鋳造の過程をどのように科学的に表現するかについて、再度討論し、凝固温度、冷却速度、などの測定が鋳造技法を解明するために有効であると推論された。
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