1994 Fiscal Year Annual Research Report
言語におけるカテゴリーの認知言語学的研究-英語を中心とした類型論的考察
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05301057
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Research Institution | Showa Women's University |
Principal Investigator |
池上 嘉彦 昭和女子大学, 大学院文学研究科, 教授 (90012327)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米山 三明 成蹊大学, 文学部, 教授 (60054392)
唐須 教光 慶應大学, 文学部, 教授 (50102017)
山梨 正明 京都大学, 人間科学部, 助教授 (80107086)
山中 桂一 東京大学, 教養学部, 教授 (20056055)
河上 誓一 大阪大学, 文学部, 教授 (20038467)
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Keywords | 認知言語学 / 認知意味論 / 認知 / 意味論 / プロトタイプ / スキーマ / 格 |
Research Abstract |
言語学における新しい展開としての「認知言語学」の有効性を具体的なデータの分析を通じて検証し,確認するという本研究の目的に添って,今年度も,一方では各メンバーが自らの特に関心のある意味分野を対象に,インフォーマントを利用して分析とその結果の考察を続けるかたわら,他方では,前年度に引き続き,東京地区と関西地区のそれぞれにおいて休暇中を除き隔月程度の頻度で研究会を開き,研究メンバー,ないしはそれ以外の関連分野の研究者による提題を中心に討議を行なった.特に九月末から十月初めにかけてアメリカでのこの分野の中心人物であるL.Talmy教授によるコロキウムを持てたのは有益であった.この他,六月の上智大学言語学会第九回大会では「文法と認知構造-認知的説明の可能性を探る」と題したシンポジウムで,研究メンバーのうちの松本が提題者の一人に,池上と山梨がディスカッサントとして招かれ,また十一月の日本英語学会第十二回大会では「心の働きとしての比喩」と題したシンポジウムでメンバーの米山が構成・司会を行い,「認知言語学の現状とその再検討」においては西村が提題者の一人となった。さらに十月のミュンスター大学での語彙論の国際会議では<移動>と<行為>の概念分析におけるスキーマの有効性について池上が発表,他方,山梨は「認知格」の概念について雑誌「言語」に一年にわたり連載を行った.
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Research Products
(26 results)
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[Publications] 池上嘉彦: "<移動>のスキーマと<行為>のスキーマ-日本語の「ラ格+移動動詞」構造の類型論的考察" 東京大学外国語科紀要. 41-3. 34-53 (1994)
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[Publications] Yoshihiko Ikegami: "The Agent and the Sentient:A Dissymmetry in Linguistic and Cultural Encoding" W.Noth,ed.Origins of Semicsis:Sign Evolution in Nature and Culture. Berlin:Moutmde Gruyter. 325-337 (1994)
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[Publications] 山中桂一: "ヤコブソンと万葉集" 言語. 23-6. 46-49 (1994)
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[Publications] 山中桂一: "助詞とシンタクス" Language,Information,Text. 1. 143-165 (1994)
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[Publications] 山中桂一: "言語の論理構造" 小林年夫編『知の技法』(東京大学出版会). 102-114 (1994)
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[Publications] 山中桂一: "言語学的批評" 田辺,荒木編『文芸批評を学ぶ人のために』(世界思潮社). 235-265 (1994)
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[Publications] 山梨正明: "日常言語の認知格モデル(1)〜(2)" 言語. 23. 各回-4ページ (1994)
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[Publications] 山梨正明: "条件文の表現機能と言葉の認識" 日本語学. 13-9. 4-17 (1994)
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[Publications] 山梨正明: "日常言語と心のプロセス-認知言語学の新しいパースペクティヴ" 北原保雄編 個別言語学における文法カテゴリーの一般化に関する理論的研究. 1-6 (1994)
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[Publications] Masaaki Yamanashi: "Metonymic Anaphora:A Cognitive Space in Natural Language" S.Chiba et al.,eds. Synchronic and Diachronic Approaches to Language. 577-591 (1994)
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[Publications] Mitsuaki Yoneyama: "Review Article:Jackendoff:Languages of the Mind" English Linguistics. 11. 267-290 (1994)
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[Publications] Toshio Ohori: "Diachrony of Clause Linkage: TE and BA in Old through Middle Japanese" W.Pagliuca,ed. Perspectives on Grammaticalization. 135-149 (1994)
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[Publications] Toshio Ohori: "Review Article: W.Croft:Syntactic Categories and Grammatical Relations" English Linguistics. 12. 318-339 (1994)
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[Publications] Yo Matumoto: "The Conversational Condition on Horn Scales" Linguistics and Philosophy. 18(未確認). (1995)
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[Publications] 在間進: "統語構造の意味機能" ドイツ語学研究. 2. 133-146 (1994)
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[Publications] Susumu Zaima: "Linguistische Untersuchung und Deutschunterricht" Deutsch als Fremdsprache. 2. 92-94 (1994)
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[Publications] 在間進: "ドイツ語における結合価研究の功罪" 言語. 25-3. 60-67 (1995)
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[Publications] 在間進: "完了の助動詞seinをとる動詞" 言語研究. 5. 1-48 (1995)
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[Publications] 辻幸夫: "領域固有と領域中立的知識の再構築" 教養論叢. 94. 17-33 (1994)
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[Publications] 辻幸夫: "感情の言語とメンタル・モデルに関する一考察" 教養論叢. 95. 228-233 (1994)
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[Publications] 泉邦寿: "フランス語の内と外(1)〜(2)" ふらんす. 平成6年度. 各回-4ページ (1994)
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[Publications] 泉邦寿(共著): "新しいフランス学をめざして" 上智大学外国語学部編:地域研究のすすめ・フランス編. 3-13 (1994)
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[Publications] 唐須教光: "ウェブスター『英語論考』他初版二巻" 三田評論. 12. 82-83 (1994)
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[Publications] 池上嘉彦(共編): "ドイツ言語学辞典" 紀伊国屋書店, xii+1527 (1994)
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[Publications] 在間進: "キャンパス独和辞典" 郁文堂, 836 (1995)
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[Publications] 宮島達夫: "語彙論研究" むぎ書房, 584 (1994)