ポスト福祉国家時代における経済生活の変容と総合的生活保障の在り方に関する研究

1993 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 05301078
• Research Institution: Doshisha University
• Principal Investigator: 西村 豁通 同志社大学, 経済学部, 教授 (80066050)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 青木 郁夫 阪南大学, 経済学部, 助教授 (80184026) ; 浜岡 政好 佛教大学, 社会学部, 教授 (80066422) ; 上野 勝代 京都府立大学, 生活科学部, 教授 (90046508) ; 山本 隆 岡山県立大学, 保健福祉学部, 助教授 (90200815)
• Keywords: 総合生活保障 / ポスト福祉国家 / 福祉多元主義 / 生活世界 / 協同組合

Research Abstract

研究計画にしたがって総合生活保障をめぐる理論的および実際的諸問題の検討をすすめた。
それらには現代福祉国家をめぐる諸論点の整理すなわち国家および官僚機構、官僚機構と関連諸産業との癒着関係-社会産業複合体の形成、専門職主義あるいは専門職支配、ストリート・レヴェルでの官僚制、分権的非権力的参加型福祉社会建設の展望などの諸論点の検討。福祉多元主義の理論と現実、現代の労働および市民生活世界の変容および新たな族序形成=ハビツゥス形成の問題、イギリスにおける福祉パッチシステムの検討、日・政・米の医療比較、共同組合の現代的意義と課題の検討など、極めて多岐にわたる諸問題の検討をすすめた。これらの研究成果の一部は小研究発表に記したように、いくつかの論文としてすでに公表している(これらの研究成果は、京都勤労者学園からの共同研究助成をうけたものでもある)。
これまでの研究活動においては、ポスト福祉国家時代を展望すること、国際比較を重視すること、福祉の社会的分割」という視点を明確にすることなどが、一貫した問題視座であった。
こうした理論的研究とともにいくつかの実態調査も行なった。実態調査は大都市圏における高齢者の総合生活保障のための行政施策の現状と可能性、施設福祉のあり方、福祉を基軸とする生活協同化のあり方を調査することと、他方では、いわゆる「過疎高齢」地域での総合生活保障のための地域福祉体系構築の試みを調査することが目的であった。具体的には、奈良のエデンの園、東京都板橋区、中野区、福祉クラブ生協、福島県喜多方、西会津などの実態調査を行なった。
以上の理論分析および実態調査の成果のうえにたって第二年次の研究活動をすすめる予定である。

Research Products

• [Publications] 山本隆: "子育て問題と保育所措置制度" Vita Furura (社)京都勤労者学園. 創刊号. 7-13 (1993)
• [Publications] 上野勝代: "勤労者家族の住生活問題と協同組合についての基礎的研究" Uita Futura. 創刊号. 14-34 (1993)
• [Publications] 浜岡政好: "ライフサイクル上の生活諸課題と生活支援諸サービスの可能性" Uita Futura. 創刊号. 35-54 (1993)
• [Publications] 青木郁夫: "Healtluy Communityづくりの課題" Uita Futura. 創刊号. 55-76 (1993)