1993 Fiscal Year Annual Research Report
高耐久性コンクリートを目指した多機能セメントに関する総合的研究
Project/Area Number |
05302036
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡村 甫 東京大学, 工学部, 教授 (30010664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小澤 一雅 東京大学, 工学部, 助教授 (80194546)
前川 宏一 東京大学, 工学部, 助教授 (80157122)
二羽 淳一郎 名古屋大学, 工学部, 助教授 (60164638)
辻 幸和 群馬大学, 工学部, 教授 (50048922)
大門 正機 東京工業大学, 工学部, 教授 (10016579)
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Keywords | 多機能セメント / 耐久性 / 流動性 / 温度ひびわれ / 乾燥収縮ひびわれ |
Research Abstract |
本研究は,高耐久性コンクリートの実現を目指した多機能セメント開発のコンセプトを構築することを目的とする。ここでの多機能とは,フレッシュコンクリートの状態において流動性に富み,水和発熱による温度ひびわれや硬化収縮,乾燥収縮等によるひびわれに対する抵抗性が極めて高く,初期欠陥を生じにくい機能を扱うこととしている。コンクリートの流動性,温度ひびわれ抵抗性および硬化・乾燥収縮ひびわれ抵抗性をセメントの物理・化学的特性から予測するモデルの構築を本年度の目的としており,以下の成果が得られた。 (1)コンクリートの流動性予測:コンクリートの流動性を物理的特性の異なる固体粒子の集合体に立脚したモデルで予測することが,可能であることが明らかとなった。ただし,高性能減水剤によるセメント粒子分散の効果がその添加量や練混ぜ方法等の条件によって異なるため,これらに対するモデル化については,粒子の電気化学的特性を含め,これらの相互作用を明らかにする必要がある。 (2)温度ひびわれ抵抗性予測:セメントの粒度および鉱物組成に基づく水和発熱速度モデル(温度依存を考慮)を構築することができた。鉱物組成の異なるセメントに対しては,このモデルにより概ね予測可能であることが検証されたが,フライアッシュや高炉スラグを含む混合セメントに対しては,セメント溶液中のイオン濃度を考慮したモデルへの改良が必要なことが明らかとなった。 (3)乾燥収縮ひびわれ抵抗性予測:水分移動および水分移動に伴う乾燥収縮を予測するモデルをセメント硬化体の細孔構造に立脚し,構築することができた。さらに,この細孔構造モデルを用いて,構造物の乾燥収縮およびひびわれ抵抗性の特性を評価する手法を開発することに成功している。
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