1995 Fiscal Year Annual Research Report
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05302042
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Research Institution | Shibaura Institute of Techonology |
Principal Investigator |
高橋 裕 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (20010572)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池淵 周一 京都大学, 水資源センター, 教授 (20026181)
椎貝 博美 筑波大学, 構造光学系, 教授 (20016322)
榧根 勇 筑波大学, 地球科学系, 教授 (10015539)
樋口 敬二 中部大学, 国際関係学部, 教授 (50022512)
菅 和利 芝浦工業大学, 工学部, 助教授 (70052884)
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Keywords | 水文循環と蒸発散 / 水環境 / 都市化 / 蒸発散と比湿 / 土地利用形態 / 消雪用水 |
Research Abstract |
都市化に伴う諸問題を整理し,その問題の顕著な都市,地域を対象にして資料の収集と調査を行い,実態を把握した.都市化に伴って生じる水環境,微気象の変化についても現地調査を実施し,土地利用形態の変化が,蒸発散を通じて水循環に影響を及ぼしている実態を明らかにした.また,各研究分担者はそろぞれの専門分野の方法で,開発と水循環の関係の事例を整理した.持続可能な水循環の蘇生と水資源のあり方を都市域を対象として総合的に研究する今年度の計画を実施することができた. 1)都市化の進展のタイプを土地利用,人口動向,人工エネルギー使用の経年変化から分類し,主要な都市での比湿,降雨量などの経年変化の特性を整理した.都市化の進展に伴って自然な水循環のバランスが崩れ,蒸発散の減少に伴って大気中の比湿が減少する.他方,都市化の進展による人工エネルギー使用の増加により水蒸気の放出が促進され,ある時期から再び大気中の比湿が増大するようになる.この2つの要因の現れ方と都市化の進展の度合いとを整理した. 2)都市の中に残された水域が周辺の水循環に及ぼす影響を調査し,熱収支解析と合わせて考察を行った.また,農地での蒸発散が水循環に及ぼす効果を明らかにするために,琵琶湖周辺で気球を用いた観測を行い,土地利用形態と大気構造の関連を明らかにした. 3)平成7年夏の異常渇水の実態を調査し,利水安全度について検討を行った. 4)わが国が重要な役割を担っているユネスコのIHP(国際水文計画)の研究事業の一環としてHPニュースを発刊し,国内の多くの研究者に送付した.
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 高橋裕: "Rivers and People in Southeast Asia and Pacific -Perspective in the 21st Century-" Proc. of UNESCO IHP Int. Symp. on Rivers and People in Southeast Asia and the Pacific. 1-4 (1996)
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[Publications] 榧根勇: "地球温暖化で強まったスリランカの水循環" 学術月報. 40-3. 266-273 (1996)
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[Publications] 菅和利: "資料分析に基づく都市の水蒸気量の長期変動解析" 土木学会第23回関東渋技術研究発表会講演概要集. 158-159 (1996)
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[Publications] 竹内邦良: "Assessment of effectiveness of the use of inflow forecasts to reservoir management, Modelling and Management of Sustainable Basin Scale Water Resource Syatem" Proc. Boulder Sympo.,, IAHS. no. 231. 299-309 (1995)
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[Publications] 池淵周一: "PMP推定のための豪雨ポテンシャルの地域評価" 土木学会水光学論文集. 40. (1996)
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[Publications] 虫明功臣: "AGCM-流路網モデルによる世界の大河川の流出ハイドログラフ" 土木学会水工学論文集. 39. 97-102 (1995)
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[Publications] 高橋裕: "新版 日本の河" 坂口豊,大森博雄と共著 岩波書店, (1995)