1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05302072
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Research Institution | Hiroshima Institute of Technology |
Principal Investigator |
中山 隆弘 広島工業大学, 工学部, 教授 (90087974)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 房紀 山口大学, 工学部, 教授 (60109072)
中田 高 広島大学, 文学部, 助教授 (60089779)
林 春男 広島大学, 総合科学部, 助教授 (20164949)
能島 暢呂 広島工業大学, 工学部, 講師 (20222200)
浅野 照雄 広島工業大学, 工学部, 助教授 (10089790)
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Keywords | 芸予地震 / 歴史地震 / 地震災害 / 地震防災 / 海底断層 / 断層モデル / 地盤震動特性 / 地盤の液状化 |
Research Abstract |
(1)安芸灘海底の現地調査 まず,調査海域として,今村(1905)によって推定されている震源域の中央部にあたる広島県倉橋島の西の海域と,1905年の芸予地震の前後に地震活動が活発で、マグニチュードが6クラスの地震の震源が集中する倉橋島の南の海域に注目した。さらに,芸予地震の被害域から推定される震源域の長軸方向と,この地域に現在発生している地震の発震機構から推定される震源断層の性格から,芸予地震の震源断層はほぼ南北の走向を持つ逆断層であろうと推定した。その推定のもとに調査測線を推定断層の走向に直交するほぼ東西に設定し,小型船を時速5kmで走らせ,搭載した音波地層探査機によって海底を探査した。 結果的には,音波探査記録は極めて明瞭であったものの,沖積世の海成層を変位させるような断層は発見できなかった。これより,芸予地震の震源は深く,震源断層は海底まで達せず,津波も発生しなかったとの結論を得た。 (2)当時の被害に関するアンケート調査 本調査の目的は,西瀬戸内海地方の寺院に残されている記録を広い地域に渡って調査することによって,当時の地震動の強さや津波の発生の有無を推定することにある。今回は浄土真宗本願寺派の1226の寺院に対してアンケート調査を実施した。現時点での回収率は約25%であり,近々整理を開始する予定である。 (3)関連資料の発掘調査 当時の新聞,呉市や熊野町などの各市町村史,呉鎮守府沿革誌,内務省「明治38年公文雑纂」,防衛庁防衛研究所資料、東京大学地震研究所資料など,芸予地震関連の資料を幅広く収集した。資料の系統的な整理は次年度に行う予定である。 (4)広島地域の地震危険度解析 芸予地震をはじめ,これまでの歴史地震データに基づいて広島地域を対象とする地震危険度解析を行った。マグニチュード,震央距離の確率密度関数から,広島地域で想定すべき地震の平均的な姿を導いた。
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