1993 Fiscal Year Annual Research Report
MR血管撮影の診断精度の向上に関する基礎的、臨床的研究
Project/Area Number |
05304034
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
高橋 睦正 熊本大学, 医学部, 教授 (10038680)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 昌生 浜松医科大学, 教授 (90107805)
志賀 逸夫 慶応義塾大学, 医学部, 助教授 (40051338)
酒井 邦夫 新潟大学, 医学部, 教授 (20018378)
竹川 鉦一 弘前大学, 医学部, 教授 (80171627)
宮坂 和男 北海道大学, 医学部, 教授 (60001939)
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Keywords | MRA / MR血管撮影 / MRI / 血管性病変 / 血流評価 |
Research Abstract |
平成5年度は本研究班発足の初年度に当たり、これまでにMR血管撮影(MR-Angiography;以下MRA)の臨床応用が比較的進んでいる頭部においては、MRAの診断精度の詳細な検討や、新しい技術の導入などに目標を置いた。一方、胸部や腹部など、これまであまりMRAが応用されていなかった部位では、MRAがどのような疾患で有用であるのかを主体に検討した。まず、基礎的な研究としては、ファントムによる実験を、これまでの定常流とは異なる脈流を用いて様々な脈管モデルで検討した。その結果定常流に比し全体として信号強度が低下する傾向が認められ、興味ある知見と考えられた。屈曲部や狭窄部における信号強度の変化についても明かとなった。頭部においては、動脈瘤を中心とした血管性病変の診断精度を100例以上の症例で検討し、有病正診率、無病正診率がそれぞれ約75%程度であるという結果を得た。この診断制度をさらに向上させる目的で空間分解能0.5mmを目標とした高分解能MRAの有用性、血管のコントラストを向上させるMTCやTONE法の有用性についても検討した。特に高分解能MRAとMTC法は今後ルーチンに使用されていく方法と思われる。一方、胸部では大動脈瘤や肺動脈の病変の診断にMRAが有用であることがわかり、今後、技術の改良と共に臨床応用が進むものと考えられた。MRAの究極の目標の一つである冠動脈についても描出の可能性が示された。腹部領域ではいくつかの異なる方法で門脈や肝静脈の描出を試みた。造影剤投与、息止めといった条件で、腹部領域でも用いられていくものと思われる。下肢の閉塞性動脈病変や静脈性病変に対しては、すでにMRAがスクリーニングに用いることのできるレベルに達していることが確認できた。以上のように初年度の研究計画は大部分達成されたばかりでなく、それ以上の研究の広がり、発展がみられている。
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Research Products
(1 results)